彼女たちは、「なんとなく、そんな感じ」という気持ちを「〜み」を使って表現しています。そして、「〜み」のあとにその程度を表現することで、さらにその程度を調節している。
「やさしみがある」だと、「なんとなくこの人優しい」だし、「優しみが深い」だと「すごく優しい」だし、「優しみがすごい」だと「優しすぎてびっくりした」なのです。
それ、ありよりのあり!
似たような言葉で、「若者ことば」として取り上げられているのが「ありよりのなし」「なしよりのあり」といったような言葉。
テレビのニュース番組でも取り上げられた、若者言葉をテーマにしたこちらの動画でもこの言葉が使用されていました。
「コレってすごく可愛くない?」「うーん、なしよりのあり(若干ダサい気もするけど、可愛いんじゃない?)」というような流れで使われています。
だいたい意味はこんな感じ。
「ありよりのあり(最高!)」「ありよりのなし(まあまあいいけどダメ)」「なしよりのあり(ギリギリオッケー)」「なしよりのなし(ホントに駄目)」。
若者言葉は「日本人らしい」
2つの流行語を使いながら若い子たちと話していると、根底にある共通点に気がつきます。それは、やんわりと「断定を避ける」表現であるということ。
「つらみ」というのは、「つらさを感じる」ということで、「つらい」と言い切ってしまうよりも少し程度が柔らかい。
「ありよりのなし」は正直「なんかダサい」という意味ですが、「ナシだけど、全くダメなわけではない」という表現をするところに優しさを感じます。
ともに、「つらい」「ダサい」といった、強いネガティブな表現を避けようとする言い回しではないでしょうか。