そうだったのか!「紅白歌合戦」のつくり方

ギャラは…?入場券の入手法は…?
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事務所の固定電話が鳴る

一方で、安室や桑田のようにどうしても出場してほしい歌手はまた別。朝ドラの主題歌や五輪のテーマ曲などは紅白ありきでオファーするケースも多い。交渉も4月ごろから始まる場合もある。

「井上陽水さんや松山千春さんがそうですね。陽水さんは11月10日に玉置浩二さんとNHKの歌番組でデュエット曲『夏の終りのハーモニー』を31年ぶりに披露したので、可能性があると思ったのですが、最終的に話がまとまらなかったようです。

8月に、遅延した飛行機内で代表曲『大空と大地の中で』を熱唱して話題となった松山さんにも出てもらいたかったはずです。

ただし、桑田さんもそうですが、彼らのようなクラスになるとレコード会社の意向は関係なく、本人次第なので、交渉に長時間かけてもなかなか実現しません」(前出・スポーツ紙デスク)

通常のアーティストへの正式なオファーは発表直前にある。

「初出場者は記者会見に出なければなりません。その数週間前にNHKからスケジュールの確認があるので、そこで当落が分かります。それ以外のアーティストは水面下で内定と言われていても、発表までは不安ですね。

特に今年は発表の前日や当日の朝にオファーがきました。担当者の携帯電話ではなく、必ず所属レコード会社の固定電話に連絡がきます」(レコード会社関係者)

そこからリハーサルに向けて舞台の演出についての打ち合わせが始まる。回数はアーティストによってさまざまだが、基本的にはNHK側から演出や曲目を提案される。

 

やはり気になるのは、出演料である。

「NHKは本当に安いですよ。人によってまちまちですが、五木ひろしさんクラスでも100万円程度。好待遇の『嵐』でも一人80万円に届かないくらいだと思います。これが新人の初出場なら、10万円くらいでしょう。

もちろん超大物アーティストはまた別です。NHKには出演料規定があり、出演回数や貢献度によって徐々に上がっていくシステムでした。しかし、このシステムは'90年代から徐々に崩れていき、『特別交渉』という枠が生まれました。

これとは別にリハーサルの拘束料として手当が出ます。ただし衣装代はアーティスト側の負担です。バックダンサーの費用は出ますけど、衣装に凝る女性歌手ならば確実に赤字でしょうね」(前出・レコード会社関係者)

'09年にイギリスの歌手スーザン・ボイルが出演した際、現地の大衆紙は、そのギャラが3万5000ポンド(約528万円)にのぼったと報じている。

その一方で、初出場の若手歌手がやけにシンプルな衣装で舞台に上がるのもギャラが衣装代込みなうえに安いため。

小林幸子は衣装代に1億円以上かかったと明かしているが、その衣装はその年の自分のツアーで着るので無駄にはならない。宣伝費と考えればトントンかもしれない。

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紅白歌合戦の台本は12月28日から行われるリハーサルの数日前に出来上がる。台本の厚さは広辞苑の半分くらい。4cmほどにもなる。

紅白ではアドリブのトークはほとんどない。曲紹介の言葉も台本どおり。かつて加山雄三が少年隊の『仮面舞踏会』を『仮面ライダー』と紹介したエピソードは伝説になっている。

「司会者はこれをすべて頭に入れなければならないから、大変ですよ。ただ、いまは若い芸能人が司会を務めているので、カンペがOKになっています。去年は白組司会の『嵐』の相葉雅紀の目線がちょくちょく下に向いていました(笑)。

今年も『嵐』の二宮和也がどれくらい下を向くのか、注目してみると面白いかもしれません」(前出・スポーツ紙デスク)

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