インフルエンザ流行シーズン突入
今年もインフルエンザの流行シーズンがやってきた。
厚生労働省は、12月1日、インフルエンザが全国的な流行期に入ったことを発表したが、今年は例年よりやや早めであるという。
インフルエンザは身近な感染症であるが、場合によっては重症化し、深刻な結果をもたらすことがあり、特に子どもや高齢者などは、その予防・治療に当たって、万全の対策が必要である。
インフルエンザの治療と言えば、タミフルやリレンザなどの治療薬を用いることが一般的であるが、その効果や副作用をめぐっては、毎年のように議論の的になる。
特に、子どもが窓から飛び降りたなどの異常行動がたびたび報道され、不安を抱く人も多いだろう。
タミフルは本当に怖い薬なのだろうか、効果はどうなのだろうか。データを元に検証してみたい。

タミフルとは何か? 怖いもの?
タミフルとは、1999年にスイスの製薬会社が、中華料理でよく使われる香辛料の八角に含まれる成分を元に合成したインフルエンザ治療薬である。
リレンザは、より歴史が古い。1989年にオーストラリアの製薬会社が開発し、翌年、イギリスの製薬会社が発売を開始した。
日本では、いずれも2001年に保険適用になった。
厚生労働省のデータベースによると、2010年から2014年までのシーズンでの処方数は、タミフルが約1330万件、リレンザは約530万件となっている。同時期のインフルエンザ患者数が約3440万件であるから、過半数の患者にこれらが処方されたことになる。
これだけよく使われる薬であるが、その反面、新しい薬・よく効く薬には、「副作用も大きいのではないか」という懸念もついて回る。
まさに、幼児や高齢者などを抱える家族は、インフルエンザも怖いけれど、強い薬も怖いというジレンマに悩まされているのではないだろうか。