2017.12.16
# エンタメ

『スターウォーズ/最後のジェダイ』はとんでもない傑作だ!

予想はことごとく打ち砕かれた
中川 右介 プロフィール

『最後のジェダイ』では登場人物たちのあいだでハン・ソロが話題になるが、彼はもう死んだという前提となっている。誰も、「ソロの死」を疑っていない。

では、私や友人たちは、なぜハン・ソロが生きていると思ったのか。

死体が映っていない、葬儀のシーンもないという、物語上の理由もあるが、あんなにも人気のあるキャラクターをやすやすと殺すなんて、そんなもったいないことはするはずがないという思い込みがあったからだ。

日本のテレビドラマの多くが、そういう作り方だから、それになれてしまった。

そういえば、ドクターXこと大門未知子も最終回で死んだかと思わせといて、どうもそうではないような終わり方だった。

しかし、さすがは全世界をマーケットとするハリウッド映画だ。そういう姑息なことはない。

『フォースの覚醒』時点では、作り手側も、続編でソロが出てくる余地を残しておこうとしていたのかもしれないが、『最後のジェダイ』の作り手は、ソロを必要とはしなかったようだ。

だが、見ている間、ソロが出てこないことなど忘れてしまったし、それを理由とする物足りなさはなかった。

「ソロの死」について、遺体が見つかっていないから生きているなんて思うのは、平和ボケなのだ。これは戦争なのだ。

そういうわけでハン・ソロは出てこないが、『フォースの覚醒』には出てこなかったあの懐かしいキャラクターがワンシーンだけ、登場する。

 

真の主人公はこの人!

これまでの『スター・ウォーズ』は、エピソードとエピソードの間には、数ヵ月から数年間の歳月が流れていたが、今回は初めて、前作「フォースの覚醒」の直後から物語が再開する。

しかし例によって、たった数日間での出来事である。

それなのに、銀河の世界では大変動が起きてしまう。

2時間32分の映画だが、3本分くらいのストーリーが詰まっている。予備知識なしに見たので、話を追うので精一杯だった。

細部のこだわり、遊びの部分をチェックするには数回は見なければならないだろう。

『フォースの覚醒』ではラストシーンに登場し、セリフもなかったルーク・スカイウォーカーが、『最後のジェダイ』の真の主人公だ。

だからタイトルは『最後のジェダイ』なのだ。

最初の三部作でハン・ソロを演じたハリソン・フォードは大スターとなり、毎年のように大作映画に出ていたが、ルークを演じるマーク・ハミルは、『スター・ウォーズ』以外は、はっきりいって実績がない。

マーク・ハミルをスクリーンで見たのは『フォースの覚醒』のラストが久しぶりだった。

マーク・ハミルマーク・ハミル〔PHOTO〕gettyimages

劇中のルークも隠遁して、人びとの前に姿を見せていないという設定だったので、俳優の境遇と役柄とを重ねてしまい、「ああ、久しぶりだなあ。ふけたなあ。苦労したのかなあ」と思ったものだ。

『最後のジェダイ』では、そのルークの空白期間が説明される。

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