変化しない者は生き残れない
その「前哨戦」はすでに幕開けしている。
たとえば、ドラッグストアは店頭に食品を並べ始めているが、これはスーパーのパイを取りにいく戦略の一環。
しかも、ドラッグストアは本業のクスリで儲けが取れるので、食品は破格の安値で出している。コンビニもいまや生鮮食品を扱うのが当たり前で、業界の垣根なしにパイの奪い合いが過熱している。

似鳥会長は言う。
「われわれの業界にしても、これまでは家具、小物、家電などとジャンルがわかれていたのを、うちはすべて扱っている。暮らしの向上にはそのすべてが必要だからですが、業種が互いに垣根を越えて、場所取り合戦がどんどん熾烈になっている。
しかも、少子高齢化で全体のパイも減っていくのだから、これはもう大変な生存競争です。
こうなるときついのは中小はもちろんですが、大企業も例外ではありません。大企業であるほど大きな負債を抱えていることが多いので、いったん業績が傾き出すとすぐに耐えきれなくなってしまう。
有名企業であっても倒産、吸収合併される事例はどんどん増えていく。まさに『戦国時代』です。
この戦いが始まるのがまさに'18年で、'19年、'20年にかけてより激しくなっていく。企業はいまから準備をしておかないと、いままで通りのことを続けているだけではパイを奪われるだけです。
ただ、逆境こそチャンス。わが社でもいまから対策を練っていますが、その自分たちの対策が通用するか楽しみです。同じ人生なら、この『戦国時代』をドキドキハラハラしながら楽しんでいきたい」
果たしてこの過酷な闘いを、どれだけの企業が生き残れるのだろうか。
「週刊現代」2018年1月20日号より