特徴(2)自分なりの「働く意味・意義」がある
外資系のハードな職場環境でも元気に働ける人の2つめの特徴は、彼彼女らは、「自分の働く意味・意義」を知っている、考えているということです。
高給取りだが仕事はハード、雇用の保証もない外資系に入社するにあたり、ほとんどの人は、数年間集中して働きたくさん学ぶ、キャリアアップ、留学前の資金作りなど、ある種の決意を持って入社してきます。
しかし、タフでハードな環境に耐える決意を持って身を粉にして1-2年働く中で、多くの人はその決意を忘れてしまうのです。
また、入社して数年経てば、自分の状況も変わります。婚活や妊活を意識する年齢になっていたり、自身の目標の変更や、親の介護が生じていることもあります。そのような中で、外資系のハードな仕事を続けるのは簡単なことではありません。
「どうして自分は働くのか?」「なぜ、この会社で(ここまでして)働くのか?」

この"どうして""なぜ"への問いの答えが、「お金のため」だけの人は潰れます。答えに唯一の正解はありませんが、自分なりの働く意味、意義を持てている人は、多少のストレスにも耐えられるようです。
仕事で強いストレスがかかった時、それをどのように捉えるかは人それぞれです。
外資系に入社したこと、そのような選択をしたのは自分であること、そこで働き続けているのは自分の選択であること。そう考えられる人は、ハードな環境でも、強いストレスにも主体的に立ち向かえ潰れにくい特性を持っています。
反対に、ストレスの原因を他人のせいにする人は、特に外資系では厳しい傾向があるようです。
特徴(3)忙しい時の「マイルール」を決めている
外資系のタフでハードな職場環境でも、不安やストレスで悩まず、元気に働ける。そんな人たちの3つめの特徴は、忙しい時ほど守るべき「マイルール」や「ルーチン」を決めているということです。
彼彼女らの多くは、自分の体力の限界や、パフォーマンスが上がらなくなる限界を自分で知っています。例えば、睡眠時間3時間の日が3日続いたら必ず次の日は6時間は寝る(ように帰る)とか、忙しくなればなるほどジムには必ず行くというマイルールを作っている人は、ハードな環境でも長続きするようです。
これは、自分の状況を常に客観的に把握できていることに加え、辛い時に自分はどのような気分転換や習慣を行えば気分や気力が復活するのかを、わかっているということだと思います。
そのための1つの習慣として、私は35歳以上の人には「体力づくり」を仕事のうちに入れておくことをアドバイスしています。
20代の時は、体力の低下が仕事の判断力や効率の低下に直結することは少ないですが、年とともに体力の衰えは仕事に影響します。
40代も元気にハードワークするためには、仕事に必要な資格や知識と同じレベルで、「体力づくり」も大切だと考えます。実際、外資系のハードな環境で元気に続けている中高年には、何かしらの運動を継続している人が多いのです。
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外資系企業の現状をお伝えすると、リーマンショック前は年俸が高かった業界でも、現在はそこまで高額の給与は出せず、40歳でアーリーリタイヤを迎えられるほどの資産を稼ぎ出すことはかなり難しくなってきました。
それにともない、ある時期まではハードに働いて知識や経験を詰め込み、一定の年齢からは邦人企業やもう少し楽な会社に転職。残りの職業人生はグライダーのように滑空飛行、持続可能(サステイナブル)なキャリアを考えているケースも増えてきました。
そのようなキャリアを築くには、やはり健康な心身が不可欠です。タフでハードな環境でも元気に働く人達の特徴に学び、不安やストレスに潰されない日々をお過ごしください。