厳しくなった確定申告「妻のパート代」黙っていたらとんでもない目に

税務署に目を付けられる人が急増!
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株の儲けもバレる

一般的なサラリーマンや年金で生活する人の場合、よくよく注意すべきは、家やマンションを賃貸に出している例だ。

千葉県に住む井上繁さん(仮名・48歳)はこんな経験をしたという。

「75歳になる父は、4年前に戸建ての自宅から、小さなマンションに引っ越したのですが、私たちに戸建てを残したいということでその家を賃貸に出していたんです。

月に15万円の収入がありましたが、『知り合いに申告しなくても大丈夫と言われた』と嘘か本当か分からないようなことを言って、確定申告をしていませんでした。

ところが、それが税務署にバレてしまった。書面で連絡が来て、父は税務署にペナルティの『無申告加算税』と合わせて30万円以上の追徴課税を取られてしまいました」

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前出の松嶋氏が言う。

「不動産所得を得ている本人の周辺から税務署にタレコミ(情報提供)がある場合もあるし、税務署が銀行を調査して怪しい口座を見つけ、その口座の主を税務調査対象に選ぶこともあります。

国税の職員は、プライベートでも税金を取れる情報がないかと神経をとがらせていますから。

かつて、街を歩いているときに広い駐車場を見つけた職員が、怪しいと思ってその所有者の情報を照会したところ、無申告で追徴課税を取ったというケースも耳にしました。

また、納税者が事業者の場合ですが、求人広告を出す業者は儲かっている可能性があると判断して、申告を調べたり、ほかの職員に情報を流したりすることも多い」

今年1月からはマイナンバーを預金口座とヒモづけるため、任意で銀行にマイナンバーを提出できるようになった。預金と納税者がヒモづけば、家賃の申告漏れなどは瞬時に税務署にバレる。

 

マイナンバーで把握をしやすくなったものはほかにもある。株の取引による収入だ。

「株で儲けたカネの一部は分離課税の『譲渡所得』と呼ばれ、ほかの所得(給与など)とは総合せず、それ自体に課税されます(所得の20.315%)。

そのため、証券会社に『一般口座』を開いた場合、一定の利益が出ると確定申告をしなければなりませんが、これまで申告していない人もいました。

従来から税務署は、証券会社の支払調書などを参照して、申告漏れがないかをチェックしてきました。

しかし、一人の人物が複数の口座を持っている場合には、その人が得た『全体での利益』を把握する必要がありました。そうした作業に非常に手間がかかっていたのです」(前出・松嶋氏)

しかし、やはりマイナンバーによって個人の利益全体を把握しやすくなった。松嶋氏が続ける。

「普通のサラリーマンの口座であっても、大きな額の動きがあれば、その人が持っているほかの口座や証券会社での取引などと瞬時に突き合わせて利益全体を簡単に捕捉できるでしょう。

今後は、株で儲けがあったのに確定申告していない人を自動的に割り出すシステムも出てくると思います。多額の利益が出たにもかかわらず確定申告をせずにいると、税務署から『おたずね』の書面がやってくる可能性はあります」

追徴の額はどれほどになるのか。たとえば、株取引で、手数料など「経費」を除き年間100万円の所得を得たと想定しよう。100万円に20.315%の税がかかり、確定申告をしていなかったペナルティとして「無申告加算税」(原則税額の15%)がかかる。ペナルティだけでも、3万円前後、合計で20万円以上を追加で払う必要がある。

馬券のネット口座も危ない

しかも、税務署からの通知は、申告すべき時期から2~3年経ってくることもザラだ。その場合は、税を支払っていなかった間の利息として、「延滞税」までとられてしまうのである。

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