社会で生き抜くための「5つの力」
なぜ、学校や塾ではなく、家庭教育なのでしょうか。それは、これからのグローバル時代を子どもたちが生き抜いていくために欠かせない条件があり、それらを学校や塾ではけっして教えてくれないからです。
その条件とは5つ。自己肯定感、英語力、グリット、コミュニケーション力、マルチタスク力です。順番に説明しましょう。

「家庭教育」とは「=勉強」ではない
① 自己肯定感
家庭でしか伸ばすことのできない第一の条件、それは子どものポジティブな自己肯定感です。
自己肯定感とはその名の通り、自らを肯定的に評価する感情。なぜそれが何より重要な条件なのでしょうか。それは、自己肯定感が高いとあらゆる物事に積極的に関わろうという姿勢が生まれ、失敗を恐れずに新たなチャレンジができるから。チャレンジに失敗しても、「次はできるはずだ」という強い思いで再び前を向いて努力が続けられますから、試行錯誤を繰り返し失敗を乗り越えて、何事にも成功する確率が高まります。
こうした自己肯定感を養うのは、テストの点数のみを評価する学校や学習塾の減点主義的な発想ではありません。つねに子どものいちばん近くに寄り添い安心感を与えて、愛情を込めて褒めてあげる親以外いないのです。
それは、「○○ができたからお利口ね」と褒める条件付きの愛情ではなく、「あなたがいてくれるだけで幸せ」という無条件の愛情である必要があります。そう、自己肯定感を養うのに必要なのは「アンコンディショナル・ラブ(どんなときも何があってもあなたの味方です)」と「フル・アテンション(いつもあなたを見守っています)」。これらをお子さんに与えられるのは家庭教育だけです。
また、「こんなこと、うちの子にできるはずがない」と親自身が決めつけていると、子どもの自己肯定感が育つ邪魔をしてしまいます。親である自分が子どもの頃にできなかったからといって、我が子にできるはずがないと決めつけるのはかわいそう。お子さんには無限大の可能性があるのだと、まずお母さん、お父さんが信じてあげてください。
英語教室で学べない英語力とは
② 英語力
言うまでもなく英語は、世界のチャンスとつながるためにもっとも重要なスキルの一つ。多くのお母さん、お父さんはグローバル社会の標準語になっている英語力だけは、我が子に身につけさせたいと考えています。
そのため小さいうちから英語教室に通わせなければ、と思っていますが、そういった児童向けスクールで教えている内容といえば、英語の歌を歌ったりゲームをしたり、ABCを書かせたり。これではいつまでたっても世界で通用する英語力は身につきません。英語力を効率よく伸ばす唯一の方法は、英語4技能(読む・聞く・話す・書く)のベースとなる英単語を子どものうちから多く暗記しておくことです。
グローバル社会で通用する英文を読み書きし、ディスカッションやプレゼンテーションをできるようになるには、できれば1万5000語ほどの英単語を覚えている必要があります。ところが、2020年度からの新学習指導要領でも、高校卒業までに覚えるべきとされている英単語は4000~5000語にすぎません。足りない分は、家庭での暗記で自学するしかありません。
そして、暗記を軽視しないで、飽きずに暗記を続ける“暗記脳”を育てるのは、家庭学習以外にありません。暗記脳で多くの英単語をインプットできたら、英語でどんどんアウトプットできる子どもに成長していくのです。
私が運営している英語教室に通う生徒さんたちは、この暗記脳を育てる方法を家庭学習でも実践しています。そのおかげで、幼稚園児が英検準2級(高校中級レベル)に合格したり、留学経験のない高校生が1級に合格したり、という例が続出しています。