情報そのものもウェアラブル
ここまでに紹介してきた「着るIoT」では、収集した情報を確認するためにはスマートフォンのアプリなどが必要だったが、情報そのものも「着る」ディスプレイに表示することが可能になっている。
東京大学と大日本印刷は、皮膚に貼りつけて利用できるゴムシート状のスキンディスプレイを開発した。皮膚に貼りつけるスキンセンサーで測定した心電図の波形を、手の甲に表示することに成功している。測定情報を遠隔地にいる医師に送信して、診断結果を手の甲に表示することもできる。


スマートフォンアプリを操作できない高齢者や子供でも、簡単に測定結果を確認できる技術として役立ちそうだ。大日本印刷では、さらに信頼性向上や大画面化などの改良を加え、3年以内には製品化したいとしている。
衣食住という言葉があるように、「着る」というのはヒトが生活する上で欠かせない行為だ。IoTはその中に自然に溶け込み、今までには考えられなかった方法で人にまつわるデータを常時取得する。
意識せず連続してデータが取れることで、提供できるサービスの質は大きく変わる。情報取得の自動化や頻度という観点で既存のビジネスやサービスを見直すと、新しい価値が生まれるかもしれない。
【本文中で紹介した製品・サービス】
・セイコーエプソン株式会社「MOVERIO BT-300」
・Fitbit「Alta HR」
・株式会社ジンズ「JINS MEME TAIKAN」
・東レ株式会社、日本電信電話株式会社「hitoe(ヒトエ)」
・株式会社ゴールドウイン「C3fit IN-pulse(インパルス)」
・株式会社大林組「Envital(エンバイタル)」
・帝人フロンティア株式会社「テクノセンサー ER」
・株式会社スタートトゥデイ「ZOZOSUIT」
・東京大学、大日本印刷株式会社「スキンディスプレイ」