NHK理事の座を捨てて…?有働由美子アナの「女の意地」

『あさイチ』にすべてを捧げた8年間
週刊現代 プロフィール

唯一無二の存在

有働は鹿児島生まれ、大阪育ち。中学、高校と剣道部に所属して二段の腕前だという。弁護士を目指して大阪・北野高校から大阪大学法学部を志望するも、夢破れて神戸女学院大学へ。

湾岸戦争をレポートする国際ジャーナリストに憧れて、NHKに入局。記者志望だったが、アナウンサー職で採用された。初任地の大阪放送局から入局4年目で東京に異動し、『おはよう日本』のキャスターに大抜擢される。

「やりました、阪神!」

個人的な話はご法度のNHKでアドリブを連発し、有働は一躍お茶の間の人気者に。

その後は『サンデースポーツ』『サタデースポーツ』をはじめ、『ニュース10』『紅白歌合戦』など看板番組に起用されてきた。

シドニー五輪のキャスターも務め、柔道・篠原信一が誤審により金メダルを逃した際は、

「これが世界最高の舞台、オリンピックの判定だとは思いたくありません」と涙ながらに本音を吐露し、その後は言葉を詰まらせて原稿が読めなくなった。そんな有働に日本中が共感した。

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アメリカ総局勤務も経験し、アナウンサーとしてこれ以上ないキャリアを積み重ねてきた。有働はNHKに残っていれば、幹部の座を約束されていた。現在はシニアアナウンサーという役職についている。

これは全国で男女約500人はいるNHKアナのなかで10%ほどしかいない部長級の立場。アナウンサーとして最高位である「エグゼクティブアナウンサー」(局次長級)に昇格するのも時間の問題だった。

 

元NHK放送文化研究所主任研究員で、次世代メディア研究所の鈴木祐司氏もこう語る。

「久保純子さんは可愛いお嬢様路線で人気でしたが、有働さんはビジュアルに関係なく、アナウンス技術や素の人間性、また一般的な女性の代弁者という立ち位置で人気になった。

NHKでは唯一無二の価値がありました。その貢献度からして、有働さんはアナウンス室長、さらに一般企業の取締役にあたる理事になることまで上層部は考えていたとしてもおかしくありません。これからもNHKの顔としての働きが期待されていたと思います」

NHKで理事になったアナウンサー出身者は誰もいない。女性理事もこれまで故・伊東律子元番組制作局長の1人だけ。有働は史上2人目となる女性理事になる道もたしかにあった。

現在のシニアアナウンサーならば年収も1500万円前後。フリーになればこれよりもはるかに稼げる可能性はあるが、リスクもある。NHKを退職後、鳴かず飛ばずのフリーアナは少なくない。

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