2018.04.17

「ザッカーバーグ証言」から、いま日本が学ぶべきこと

世界的な潮流に乗り遅れないためにも

ついにザッカーバーグが認めた

利用者から集めた個人情報をターゲット広告に使うことで急成長してきたIT業界の巨大プラットフォーマーたちの「我が世の春」が、終わりを迎えようとしている。それを浮き彫りにしたのは、米連邦議会が先週火、水曜の両日(4月10日と同11日)に開いた公聴会だ。

個人情報の不正流用やフェイクニュース放置によって大統領選挙に影響を与えた責任を問われている、フェイスブック社のマーク・ザッカーバーグCEO(経営最高責任者)が証言に臨み、「人々の生活にとってネットの重要性は増している。何らかの規制は避けられない」と白旗を掲げたのである。

アメリカでは、今後の焦点が具体的な規制策作りに移った。この分野をリードしているEU(欧州連合)が5月から施行する「一般データ保護規則(GDPR)」がモデルのひとつとされ、個人情報をターゲット広告に使っているプラットフォーマーを対象に、①利用規約などでの収集するデータやそれらの第3者への提供に関する十分な説明、②情報流出の原因になった利用者検索機能のセキュリティー強化――などを義務付ける可能性が高まっている。

 

こうした世界的な動きに関連して、日本が講ずべき施策は、プラットフォーマーに対する規制の強化だけではない。もう一つ、安倍総理が中心になって「ネットは自由」という時代錯誤の認識を前提に、ネットと放送の垣根を無くす放送制度の見直し推し進めようとしていることの軌道修正も急務だ。

我々にとって、個人情報保護の確立はもちろん、新聞や雑誌と共に民主主義を支えてきた伝統メディアの放送と、伝統的メディアに勝るとも劣らないメディアへと成長を遂げたネットの二つを、社会的なコンセンサス作りの両輪として機能させる制度の整備も喫緊の課題なのである。

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