2018.04.23
# 社会保障・雇用・労働 # ハローワーク # 企業・経営

タダで優秀な人材を採用できる「ハローワーク」求人票の作り方

「アットホームな職場」は禁句です
五十川 将史 プロフィール

(1)一目で仕事の内容+αがわかる「職種名」に

先述したように「求人申込書」はハローワークに届け出る書類の一種。「職種」「仕事の内容」「雇用形態」などを書き込む欄がある。

会社としては、過不足なく記載し、窓口で指摘を受けることなく、受理してもらうことに意識が向きがちで、職種名も、職業分類にあるような無難なものになってしまう。しかし、仕事を探している求職者の立場で見てみるとどうだろうか。

「求人申込書」などの情報をもとに作成されるハローワーク求人表の例
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例えば、「製造工」と「スマホ部品製造工程での機械オペレータ」、どちらの職種名が求職者の興味や関心をひくか、自明だろう。

「作業員」と「小さくて軽い部品の検査・組立」
「営業」と「福祉用具のルート営業(既存顧客管理)」
「販売員」と「オリジナル革小物の販売スタッフ/有楽町」
「介護職」と「介護職員(オープニング・デイサービス・学童併設)」

これらの例を見れば、一目で仕事の内容や、求職者が知りたい+αの情報が込められた職種名のほうが効果的なことがわかるはずだ。

また、求職者の検索方法についても考察してみると、その多くは、自分のやりたい仕事(職種)で検索する。すると求人情報一覧には、同じような職種名の求人情報が並ぶことになる。

職種名とは、本の書名のようなものである。自社の欲しい人材にとって、「オッ」と興味・関心をひく職種名になっているか、見直してほしい。

なお、ハローワークの求人票では、職種名に28文字を使用することができる。ぜひこの28文字を有効活用して、他社との差別化を図っていきたい。

 

(2)「働きやすさ」を見える化する

求人票によく見かける「アットホームな職場」というキャッチフレーズだが、この言葉をインターネット検索してみると、なんと「ブラック企業率が高い」求人文句の一つとして出てくる。求人票に「アットホームな職場」と記載しただけで、ブラック企業との烙印を押されたのでは、たまったものではない。

なぜこのようなイメージが付いてしまったのかといえば、「アットホームな職場」という表現が、極めて曖昧かつ主観的であることではないだろうか。これでは、求職者が入社して「アットホームな職場ではないな」と感じてしまえば、即「騙された」となってしまう。

ではどうすれば、「アットホームな職場」という表現に代わる「働きやすさ」が求職者に伝わるかを考えてみる。その一つの方法として、「働きやすさ」を客観的に表す自社の取り組みや実績を掲載することが挙げられる。

例えば、下記のような取り組みや実績を求人票に記載することで「働きやすさ」を伝えることができる。

・3年後離職率(新卒入社者のうち3年以内に離職した人の割合)
・平均勤続年数(離職率が少ない会社、安定している会社)
・月平均残業時間、年平均有休消化日数(働き方改革への取り組み)
・女性の役員・管理職数(女性が働きやすい職場は、男性にとっても働きやすい職場)
・公的機関からの認定や表彰(厚生労働省のユースエール認定、くるみん認定等)

ただ、実際の中小・零細企業としては、上記の取り組みや実績を記載することはハードルが高いのが現状である。

そこで、おすすめしたいのが、各種自治体や行政などが取り組んでいる各種「宣言」への取り組み。

それぞれ知名度は高くないものの、中小・零細企業でも取り組みやすい敷居の低さが魅力だ。働きやすい職場づくりに取り組む企業の姿勢を客観的な取り組み実績として示すことが期待できる。

●自治体や行政などが取り組んでいる働きやすい職場づくりを表す「宣言」の一例
・社員いきいき!元気な会社宣言(千葉県)
・男女イキイキ職場宣言(秋田県)
・女性活躍推進宣言(大分県)
・仕事と家庭の両立応援宣言(宮崎県)
・岐阜労働局新はつらつ職場づくり宣言(岐阜県)

●求人票への記載例
・岐阜労働局「新はつらつ職場づくり宣言事業所」です。毎週水曜日をノー残業デーとするなど、従業員と一緒に働きやすい職場づくりを行っています。

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