2018.04.23
# 社会保障・雇用・労働 # 企業・経営 # ハローワーク

タダで優秀な人材を採用できる「ハローワーク」求人票の作り方

「アットホームな職場」は禁句です
五十川 将史 プロフィール

(3)インターネットで積極的に求人情報を公開

ハローワークに求人を出すとき、「ハローワークインターネットサービス」に掲載するかどうかを、次の1~4から選択して、「求人申込書」に記載する。

1.全ての情報を公開する。

2.ハローワークで求職登録をし、検索の時に求職番号を入力した人にだけ、全ての情報が見られるようにする。それ以外の人には会社名・所在地・電話番号を伏せる。

3.どの人に対しても会社名・所在地・電話番号を伏せる。会社名などを知りたい場合はハローワークに出向くしかない。

4.ハローワークインターネットサービスに掲載しない。ハローワークに出向かないと、その求人の存在自体がわからない。

ハローワークに足を運んでいただければおわかりいただけると思うが、ハローワークに出向いて仕事探しをしている方は年々少なくなっている。

土曜日に開庁しているハローワークは一部にあるものの、多くのハローワークの開庁時間は、平日の8時30分から17時15分まで。在職中に転職活動をしようとしている方はハローワークに一般的に足を運びにくい。

スマホやパソコンなどにより、自宅や外出先で仕事探しをしている方が多くなっている昨今の状況も勘案すると、「ハローワークインターネットサービスに掲載しない」という選択をすることは、大きな機会損失といえる。

 

掲載を希望しない企業の多くは、インターネットで企業名等を公開すると、求職者だけでなく、派遣会社や人材紹介会社、求人誌等の営業担当者も確認できるという状態になり、過去に様々な営業で業務に支障が出た苦い経験があることが多い。

確かにインターネットで企業名等を公開するデメリットはあるものの、ハローワークで仕事探しをする方の減少やスマホやパソコンで仕事探しをするというスタイルへの対応を考えると、「公開希望」とすることをおすすめする。

「インターネットハローワークサービス」に公開する副次的な効果として、テレビCMでもおなじみとなった「Indeed」にもハローワークの求人が無料で掲載されるようになる。

「Indeed」とは、2012年9月にリクルートに買収された同社の完全子会社で、リクナビやマイナビなどの求人情報サイトや、企業のオフィシャルサイト、ハローワークなどに掲載の、あらゆる採用・求人情報をまとめて検索できるサイトを運営している。

「Indeed」には他の有料求人情報サイトやスポンサー求人情報も多数掲載されていることからライバルも多いが、「Indeed」での掲載も意識してハローワークの求人票を作成することで、レバレッジを効かせることが期待できる。

(4)「画像情報」を追加して視覚的にアピールする

「ハローワークの求人票は写真もなく面白みがない」という話を聞くが、実は、ハローワーク内の求人情報提供端末でも事業所ごとに10枚まで「画像情報」を登録し、求職者に公開することができる(ただし、インターネット上では公開されない)。

求人票中央上部の事業所番号の右に「(静)」と記載されている求人票が現在、画像情報が登録されて公開されていることを表している。自社の求人票をご覧になって、「(静)」の文字が記載されているか確認してほしい。

「(静)」が記載されているものの、どんな写真が登録されているか記憶にない会社は要注意である。つまり、会社が知らない(もしくは忘れている)写真を求職者の方は見て判断しているということである。

年間60回以上開催してきた求人票セミナーで、静止画を登録してある会社の方に確認を取っている私の経験上では、9割以上の会社はどんな写真なのかはおろか、公開されていることさえ認識されていない。

およそ整理整頓されていない工場や事務所内の写真や、5年前の移転前の工場の写真、製品をただアップで撮影しただけの写真など、求職者に逆効果ともいえる写真も散見される。

ハローワークの求人窓口でどんな「画像情報」が登録されているか、ぜひ確認してほしい。

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