約1700円でゴーゴーボーイをお持ち帰り
尋ねたところ、返ってきたのは「ここ5、6年くらい前からぐっと増えた」という言葉だった。その理由についてカワノ氏はこう分析する。
「ひとつには、中国人富裕層の旅行者が増えたことがありますよね。タイのボーイズゴーゴーでもよく見かけるようになりました。タイのホストクラブで話を聞いたら、最近はやっぱり大勢来るようになったって言っていたし。彼女たちが『ボーイズゴーゴーで男をペイバーする』っていうことも話していたって聞きました。日本人女性よりもむしろ、セックスに対して割り切っているのかもですね」
では、日本人女性客は、増えていないのだろうか。
「そんなことはないと思います。というのも、わたしが最初にボーイズゴーゴーに行った15年くらい前って、一般的にはボーイズゴーゴーの存在そのものが、まったく知られていなかったんですよ。
わたしの書いたボーイズゴーゴーのブログ記事を発見した『G-DIARY』っていう日本人向けのアジア夜遊び誌から、「うちの雑誌でも書いてくれないか」声を掛けられて記事を書くことになったくらい。それくらい、誰もボーイズゴーゴーについては、発信していなかった。
カワノアユミ氏(写真:著者提供)
だから、当時はお店も汚かったし、トイレも男子トイレしかなくって。けど、インターネットの発達もあって、だんだんと夜遊び好きの人たちに知られるようになってきた結果、お店は綺麗になったし、女性もあまり抵抗なく入ることの出来るっていう、今みたいな状況になってきたんじゃないですかね」(カワノ氏)
インターネットの普及により、よりコアな情報に誰でもアクセスが出来るようになったことは確かに大きい。例えばこうした“夜遊び”について回る不安としては「いったいいくらお金がかかるのか」「ぼったくられはしないか」ということだが、ネットを使えば予め、その辺りのリサーチも容易だ。
「ゴーゴーボーイは、基本的には指名をしなければ、自分たちのドリンク代だけしかかかりません。最近はちょっと値段があがって、ビールが一杯150バーツから350バーツくらい(※1バーツ約3.4円、2018年4月現在)。ボーイ(男の子)を席につける場合は、この値段でビールを買ってあげればいいだけ。
ペイバーする場合は、お店に500バーツ、ボーイにショートで1000バーツ~1500バーツ、ロングだと2000バーツくらいが相場だと思います。もちろんセックス込みの値段です。店のクローズ間際だと、もっと安くなる場合も。わたしは500バーツくらいでペイバーしたことがあります」(カワノ氏)
とすれば、15年ほど前のわたしは当時の物価から考えると、少しボったくられたことになる。悔しい気もするが、したことを考えれば順当というか、むしろ罪悪感が薄れた……というと自分に都合が良すぎるだろうか。