2018.05.04
# 野球

鉄人・衣笠が生前語っていた「山本浩二との本当の関係」

「絶対、競っちゃいけない」
二宮 清純 プロフィール

山本さんによると、衣笠さんと腹を割って話せるようになったのは「75年の初優勝から」だそうです。「それまでは私生活でも付き合いがなかった」と話していました。

「初優勝して抱き合って涙を流してから距離が縮まったんや。それまでは“とにかく負けたくない”とばかり思っていた。またアイツは少々のことでは音を上げないから、こっちも痛いのかゆいのと言って休んでいるわけにはいかなかった。なにしろ、骨折しても試合に出るようなヤツやったからな」

赤ヘル時代の到来を予感させたのは75年のオールスターゲームです。甲子園球場での初戦、全セの3番・山本さんと6番・衣笠さんが揃って2打席連続ホームランを放ったのです。

 

この時の思い出を、衣笠さんはこう振り返ります。

「確か、次の日の新聞に“赤ヘル軍団”という見出しが躍った。まだカープは毎年Bクラスのローカル球団。そのチームの選手たちが連続してホームランを放ち、三塁ベースコーチだった長嶋茂雄さんの祝福を受け、ハイタッチをしている。まるで夢心地でしたよ」

鉄人とミスター赤ヘル。2人の関係をV9巨人のON(王貞治さんと長嶋茂雄さん)に見立てる人もいます。両雄並び立つ――。2人のリーダーが切磋琢磨することで弱小チームは「赤ヘル軍団」へと成長していったのです。

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