武田薬品「7兆円買収」外国人社長だからできる大バクチの勝算

なんだか怖い…!
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「プロ経営者」の危機感

苦境がわかっていて、ゆっくりと死んでいくより、死期を早めることになろうとも、いまはリスクを取るべきだ――ウェバー氏はそう決断した。そして、それができたのは、ウェバー氏が外国人社長であるがゆえだった。

「もし生え抜きの日本人社長だったら、買収は決断できなかったでしょう。外国人のプロ経営者は、買収が失敗して武田の名前がなくなっても精神的ダメージは日本人ほどではない。だからこそ、思い切ったことができるのです。

良し悪しですが、おカネで引き抜かれてきた外国人幹部は、会社への愛着がそれほど強くない。

前任のCFOであるフランソワ・ロジェ氏は'15年6月、就任から2年足らずでネスレに転職してしまった。役員報酬を年間3億円超もらっていたにもかかわらず、です」(前出・幹部社員)

 

さらに、ウェバー氏の決断には、プロ経営者ならではの「個人的な利益」も影響している。幹部社員が続ける。

「武田よりも利益を出しているアステラス製薬の畑中好彦会長の年収が2億円強である一方、ウェバー社長の年収は約10億円。

初の外国人社長として招聘されたにもかかわらず、年収に見合うほどの業績を上げられていないことに、本人も焦っているでしょう。

首を切られる可能性もなくはない。社内には、社長をよく思っていない人もいますから、突き上げを食らえば、地位が揺らぎかねません」

今年の1月、ウェバー社長はインタビューで'25年まで社長を続ける意思を表明したが、これは、「辞めさせられるかもしれない」という危機感の裏返しだろう。

いずれにせよ決断はなされた。そのとき外国人社長を戴いていたことは、武田にとって幸運だったのか、それとも――。

「週刊現代」2018年5月19日号より

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