「原発事故はやっぱり防げた」地震学者の決死の法廷証言を聞け
明らかに人災、とまで断言「明らかに人災」と断言
新聞によると、先週水曜日(5月9日)、福島第一原子力発電所事故を巡る業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電の旧経営者3人の第11回公判が東京地裁で開かれ、原子力規制委員会の元委員で地震学者の島崎邦彦・東京大学名誉教授が「福島第1原発事故は防げた」と証言した。
あの事故を巡っては、国会が設置した東京電力福島第一発電所事故調査委員会(国会事故調)が「何度も事前に対策 を立てるチャンスがあったことに鑑みれば、今回の事故は『自然災害』ではなくあきらかに『人災』である」として「明らかに(歴代の規制当局及び東電経営陣による)『人災』だ」と断定するなど、東電の原子力事業者としての資質に落第点を付けた例が多い。今回の島崎証言も規制当局や東電の問題を改めて裏付けた格好である。
それにもかかわらず、政府は、地震・津波を巡る甘いリスク管理が祟って経営破綻が避けられなかった東電を経済・資本主義の論理に抗って救済、そのツケを国民に回すばかりか、柏崎刈羽原発の再稼働を後押しして、東電が「原子力事業者として復活する」ことも容認する構えだ。
着々と準備が進む柏崎刈羽原発の再稼働の流れを押しとどめることができるのは、地元・新潟県だけだ。が、その新潟県では、再稼働に慎重だった米山隆一前知事が女性問題で辞任、次の知事を選ぶ選挙は6月10日に行われる。結果次第では東電が原子力事業者として復活する日が大きく近づくだけに、新潟県民でなくてもその選挙の行方に関心を払わざるを得ない。