僕たちのことはほっといて

では20代男性の童貞問題を、先輩はどう支援すればいいのか。若者から口をそろえて挙がったのは「解決しようとしないでほしい」という声だった。

来年から新卒となる学生はこう語る。

「国の観点からすれば少子化は課題ですけれども、僕らの世代は恋愛なしで幸せだと思うんです。だから恋愛をしろ! とプレッシャーをかけられても困惑してしまいます。社会人は結婚して一人前、という考え方は無くしていただければありがたいです。未婚が当たり前なのだから、その前提で会社でも指導していただきたいです」

別の学生もこう述べた。

「現在、8人に1人の成人は移民だという話もあります。少子化問題に今から取り組んでも、労働力になるのは先です。だったら恋愛ナシでもこれだけ充実してるんだから、それでいいじゃないかと思っています。恋愛をしなくてはならない社会よりも、してもしなくてもいい社会の方が豊かなんじゃないでしょうか?」

 

学校やサークルなど、コミュニティの調和を重視する代わりに恋愛を手放した20代男女たち。結婚したいのにできない、恋愛をしたくてもできないと悩む後輩を手助けするのはよいだろう。

たとえば拙著『モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門』は、そういう普通の男性向け「恋愛の教科書」として出版した。だがまずは「恋愛してこそ当たり前」という前提を捨てるべき時代がやってきたのかもしれない。恋愛が必要ない人にまで、恋をさせる義務はない。

参考資料:
相模ゴム工業「ニッポンのセックス」
http://www.sagami-gomu.co.jp/project/nipponnosex/experience_sex.html#exp01

販促コンペ「日本のコンドーム市場」
https://hansoku.co/2014/kadai/orien_pdf/05.pdf

リクルートブライダル総研『恋愛観調査2014』
http://bridal-souken.net/research_news/2014/12/2014-058e.html

内閣府「少子化社会対策に関する国際意識調査」
http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/research/

CanCam「カップル7000人調査 どうやって付き合いはじめたの?恋人たちの「きっかけ」データ大公開」
https://cancam.jp/archives/120763

法務省「平成29年6月末現在における在留外国人数について」http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri04_00068.html