失業率がどんどん上昇
2020年前後には、ロボットやAIが人間の労働に取って代わる流れも本格化して、製造業や銀行、証券など金融業界がその影響をモロに受けることになる。
仮に労働力の2割がAIやロボットに代替された場合、2020年代初頭から失業率が上昇し、2020年代後半には5.5~6%ほどまで上がる事態も考えられます。
もちろん、これからは「会社」も安泰ではいられません。なかでも、日本経済の屋台骨を支えてきた自動車産業には決して明るくない未来が迫ってくる可能性があります。
なぜなら、世界的な電気自動車(EV)化の流れが決定的になっているからです。'17年にフランスとイギリスが相次いでガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する方針を打ち出すと、追随するように中国までが同様の方針を決定しました。
グローバルにEV化が進むことが必至のなかで、日本の自動車メーカーがすでにEV化で欧米メーカーに遅れを取っているのは非常事態といえます。
日本勢にとって厄介なのは、EV化とともにクルマの自動運転化などIT化が進み、今後はアップル、グーグルなど巨大IT企業もライバルになってくることです。
日本一の大企業であるトヨタはもちろん、日産やホンダでも、今後の電気自動車化、自動化の流れで舵取りをひとつ間違っただけでも、あっという間に第二の東芝、第二のシャープに転落してしまう可能性が否定できなくなってきたわけです。

かつてiPhoneの登場によって日本の多くの電機メーカーが携帯電話事業からの撤退、縮小に追い込まれたように、将来的には大手自動車メーカーも日本で1社に再編されているかもしれない。
早いもので、2020年はあと2年ほどで訪れます。そのとき、われわれの賃金、雇用、会社がかくも激変する兆候が表れているかもしれないことを忘れてはいけません。
国難の時代を生き抜くには、厳しい現実を直視することから逃げてはいけないと思うのです――。
「週刊現代」2018年6月9日号より