デジタル面接が、リアル面接を超える日は来るか

「HireVue」では、過去の録画面接の動画はデフォルトで2年間蓄積される。それにより、AIマッチングによる選考結果の検証ができるだけでなく、若手リクルーターの育成にも一役買っている。

現在、会社で活躍している人が、面接時にはどういう受け答えをしていたのか。実際の動画で確認ができる。「人材を見る目」を養う、これ以上ない教材となるのだそうだ。

「録画面接は役員を含む複数人でチェックする」と表明する企業もある。公平性を担保しながら、応募者の負担を限りなく低くできる。

「HireVue」にオプションで追加できるプログラミングテストも、これまでのような「慣れないパソコンで受けさせる」「ホワイトボードや紙にコーディングを書かせる」といった従来のやり方に比べ、大学や自宅の慣れたパソコンで受けるほうが、よっぽど本領を発揮できるだろう。

Photo by iStock

「これまでのやり方をそのままデジタルに置き換えるのではなく、デジタルだからこそできる新しいやり方があります。録画面接にしても、AIマッチングにしても、プログラミングテストにしても、これまでのやり方をただ置き換える以上の成果が、現実に見え始めています」

HRテックを「既存のフローの一部をITに置き換える」と、とらえる人もいるかもしれない。しかし、広がる世界はまったく別世界のようだ。その渦中にいるタレンタが目指す未来は、どのような世界なのだろうか。

「募集企業、ユーザー応募者が何をどこまで許容するか。そのアクセプタンス(受容)とあまりにも乖離して先走っても、誰もついてきてくれません。われわれが提供するのは、あくまでもプラットフォームです。

このプラットフォームを通じて、適任者が浮かび上がり、活躍する人材が増えることが、われわれの一番の喜びです。そこに向けて顧客とともに無理なく急ぎすぎず、ペースアップしていきたいですね」