サプリを飲む際の注意ポイントを、中村氏が次のとおり整理する。
①他の薬剤との飲み合わせに問題がないか、医師に確認してもらう。
②サプリが謳う「自然・ナチュラル」は「安全」とイコールではないことを肝に銘じる。
③病気の改善はサプリでは期待できないので、処方薬の代わりにサプリを内服しない。
④サプリを飲み始める前に、それにはどういう効果・危険があるのか、どのくらい飲めばいいのかを確認する。
⑤摂取しているサプリについては、薬と同じように記録を残す。

おススメの「医薬部外品」
その上で、中村氏自身はこんなサプリを摂っているという。
「体の持久力を保つために飲んでいるのが、オルニチンです。アミノ酸の一種で、飲んだらすぐ吸収されるので、疲れているときにも即効性があります。
ストレス解消のために飲んでいるのはGABA(ガンマアミノ酪酸)です。ストレスが溜まるとつい食べすぎてしまい、結果的に健康にもよくありません。GABAは副交感神経を優位にすることで、精神的な平静を保つ効果を期待できます」
これらの成分が含まれているサプリは、オルニチン(協和発酵バイオ)やグッスミン GABAのちから(ライオン)といった商品名で市販されている。
病院に行くほどの症状ではないが、日常のちょっとした体調不良を和らげて、病気の予防に役立つのが、「医薬部外品」だ。
元東京大学附属病院放射線科医の関谷徳泰氏がこう話す。
「たとえばエビオス錠(アサヒグループ食品)や新ビオフェルミンS錠(ビオフェルミン製薬)といった医薬部外品は、胃薬や整腸剤に近い製品です。
基本的には処方薬の廉価版と考えてください。医学的なデータの裏付けもあり、効果には信頼性があります。
エビオス錠はビール酵母から生まれた医薬部外品で、ビタミンB群がメインで含まれています。副作用がまったくないとは言いませんが、整腸作用も期待でき、ヨーグルトと似た付き合い方ができます。
私は毎日飲んでいるわけではありませんが、お腹がもたれるとか、下痢のときに飲むと体調がよくなっているように感じます」
整腸生菌を利用した医薬部外品には、この他に酪酸菌が主成分の強ミヤリサン錠(ミヤリサン製薬)もある。
多くの健康食品には胃酸で効き目が弱くなり、腸にまで届かないケースがあるが、この医薬部外品は、より腸に届きやすい成分を配合しているので、整腸効果が期待できる。