2018.08.03
# 恐竜

大発見…! 農民の「バイト発掘」が「恐竜=鳥」説を確立させた

「恐竜大陸をゆく」第1回
安田 峰俊 プロフィール

3ヵ月で掘られた「トゥオジャンゴサウルス」

トゥオジャンゴサウルスはジュラ紀後期に生息した身長7メートルほどの剣竜類だ。

北米のステゴサウルスと比較してやや小型であり、背中にはステゴサウルスよりも細身で鋭い三角形の骨の板が15対も生えていた。

トゥオジャンゴサウルス
2014年に香港で発売されたトゥオジャンゴサウルスの切手。『中国恐竜』シリーズ切手(中国大陸の同名シリーズとは別)の一部である。https://kknews.cc/culture/qq2mkgb.htmlより


トゥオジャンゴサウルスが見つかったのは、マメンチサウルスの発見地とも近い四川省自貢市だ。この一帯にはジュラ紀の地層が広がり、1950年代から化石が確認されていたが、1966年に文化大革命が発生したことで発掘や調査は長らく停滞した。

やがて1974年、自貢市の伍家壩で豊富な恐竜化石群が確認され、まだ文革の影響が残る時期にもかかわらず重慶博物館と自貢市塩業博物館が発掘プロジェクトを実施。3ヵ月のうちに106箱に及ぶ化石を掘り出した。

このとき、竜脚類のオメイサウルス(Omeisaurus:峨嵋龍)の仲間などとともに新たに見つかったのが、トゥオジャンゴサウルスである。比較的全体が揃った化石が1体、部分的な化石が1体、それぞれ発掘された。

トゥオジャンゴサウルスの名前は、発見地付近を流れる長江の支流・沱江(Tuó jiāng)に基づいて名付けられている。模式種名は「Tuojiangosaurus multispinus (多棘沱江龍)」で、漢語名を見るからにトゲトゲしい。

命名されたのは1977年。先のマメンチサウルスの項目で登場した楊鍾健の弟子で、こちらも中国恐竜学を代表する人物である董枝明(Dong Zhiming)先生によるものだ。

なお、自貢市付近の四川盆地は剣竜類化石の出土が多く、6属6種が報告されている。日本の模型制作会社・海洋堂の「チョコラザウルス」シリーズで制作されたこともあるフアヤンゴサウルス(Huayangosaurus:華陽龍)のほか、インシャノサウルス(Yingshanosaurus:営山龍)、ギガントスピノサウルス(Gigantspinosaurus:巨棘龍)などが1980年代に続々と発掘された。

恐竜研究史を塗り替えた「シノサウロプテリクス」

1996年に報告された体長1.3メートルほどの小型獣脚類シノサウロプテリクスは、世界の恐竜研究史を塗り替えた存在として名高い。

恐竜としてははじめて、羽毛の痕跡を残した全身化石が発見されたためだ。

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