翁長知事の後継は…?
沖縄県の翁長雄志知事(67歳)が8月8日午前に急逝したため、沖縄県知事選(9月13日告示・30日投開票)と自民党総裁選(同7日告示・20日投開票)の選挙戦日程が一部重なることになった。
8月14日、自民党県連が擁立した佐喜真淳・宜野湾市長(54)が市役所で記者会見し、正式に出馬表明した。同氏は知事選で公明党と日本維新の会の支援と同時に、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設を推進する安倍晋三政権の全面的なバックアップを受ける。
![[写真]自民の支援を受ける佐喜真氏。保守陣営はすでに選挙に向けた体制を固めている(Photo by GettyImages)](https://gendai-m.ismcdn.jp/mwimgs/9/1/1280m/img_914c55d51f0832f9ac689adb0df7f878165358.jpg)
佐喜真陣営には、顧問格の仲井眞弘多前知事を筆頭に川上好久前副知事、又吉進・元知事公室長(前外務省参与)らが蝟集し、さらに沖縄電力、地元の有力企業の国場組、りゅうせきグループなどから政策チームが集められている。
保守系ではこれまでに日本青年会議所(JC)会頭を歴任した安里繁信シンバホールディングス会長(48)が出馬を表明している。
ところが、菅義偉官房長官が翁長知事の通夜出席のため那覇市入りした10日夜、市内のホテルで密かに安里氏と会談、出馬辞退を説得できたことで保守系の分裂選挙は回避された。
一方、辺野古移設に一貫して反対してきた翁長知事を支援する保革の「オール沖縄」陣営は、現時点で翁長氏の後継候補者選びが難航している。
というのも、保守系県・市議の一部と革新系が「反辺野古」の一点で共闘、4年前の知事選で翁長知事誕生の原動力となった「オール沖縄」が、この間の県内首長選で発言力を増した共産党に嫌気して保守系議員や地元有力企業の金秀グループ、かりゆしグループなどが離脱したことで事実上分裂したからだ。
翁長氏の後継者を自任する謝花喜一郎副知事(61)は辺野古移設阻止を前面に掲げての出馬に意欲を持つが、故翁長氏の初七日に沖縄を不在にしたことで翁長氏周辺から不興を買ったという。
その他に、糸数慶子参院議員(無所属・70)、城間幹子那覇市長(67)、稲嶺進前名護市長(73)らの名前がマスコミで取り沙汰されている。報道にはないが、呉屋守將金秀グループ会長(66)出馬待望論が結束当初の「オール沖縄」メンバーの間で根強いと、筆者の現地ディープスロートは伝えてきている。