本庶佑さんノーベル賞「オプジーボ」大幅値下げでがん治療は変わるか

保険適用なら月々およそ8万円に

京都大学特別教授の本庶佑氏(76)が、2018年のノーベル医学・生理学賞を受賞することとなった。本庶氏の研究は、画期的ながん免疫治療薬「オプジーボ」の開発に大きく貢献するものだった。

オプジーボは優れた効果の反面、高額な薬価が問題視されることもあった。だがここ最近、大幅な値下げが進んでいることをご存知だろうか。

この11月から安くなる

がんの免疫薬「オプジーボ」(小野薬品)が日本で承認されてから約4年が経った。「夢の薬」と言われながら、一方で高すぎる薬価が医療費を圧迫するとして「亡国の薬」とも呼ばれたオプジーボ。

当初の薬価は1瓶(100mg)あたり約73万円だったが、36万、27万円と下がり、今年の11月には17万円にまで下がることが決定。現行の薬価から「4割値下げ」となるわけだ。

 

「安くなったぶん、『保険適用外のがんにも使いたい』という患者さんが増えています。適用外のがんにも効くと期待している人は多い」(健康増進クリニック院長の水上治氏)

現在、オプジーボの保険適用がんは、悪性黒色腫(メラノーマ、皮膚がんの一種)、肺がん(非小細胞、二次治療からのみ使用可能)、頭頸部がん(舌がん、咽頭がんなど)、胃がん(切除不能なものに限る)など、6種類ほどに限られる。

保険適用のがんであれば、高額療養費制度が使えるので、1ヵ月8万円ほどで済む。保険適用外のがんに使うとなれば、全額自己負担となるが、薬価が下がったことで、投薬へのハードルが下がったことは間違いない。

だが、オプジーボは保険適用外のがんにどれくらい効くのだろうか――。

「オプジーボは自分の持つ免疫細胞に働きかけ、がんを叩くので、効果は個人差が非常に大きい。保険適用のがんに使用した場合、効果があるのは2割とされていますが、保険適用外のがんについては正直、未知数です」(水上氏)

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