2018.09.17
# 遺産 # 退職金

老後資金を「貯める」前に知っておくべき、2つの大事なおカネの話

貯金がすべてではなかった
川部 紀子 プロフィール

いくらもらえるか把握している?

退職金のある会社には通常「退職金規程」というものがあり、一定規模以上の会社であれば規程を国に届け出しています。

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その場合、よほどの理由がない限り会社が勝手に退職金をゼロに変更したり、大きく減らしたりするのは難しいのです。

そのため、制度変更を伴いながらも、過去の退職金水準を確保できるような仕組みが整っている会社が大半です。

ですから、まずは退職金の有無と金額を確認しましょう。老後資金を真剣に考えるには、まずはそれなしには始まらないと言えるほどです。

退職金は、退職時に一括で受け取ることとなる「退職一時金」だけでなく、「企業年金」(確定給付企業年金、確定拠出年金など)といった複数の制度を組み合わせて構成されている場合も多々あります。退職給付制度は何本建てで、トータルでいくらになるのか確認することが重要です。

例えば、退職金総額が2000万円だとして、そのうち退職一時金が1000万円、確定給付企業年金が600万円、確定拠出年金が400万円、といった具合です。

 

退職金は、何年働いたら一律いくらという分かりやすい会社もありますが、勤続年数、ポイント(職能、社内評価、役職、資格など)等で計算する会社も多く、規程を見ると複雑に感じるかもしれません。

でも、一般的な会社では、退職金を設計した際に「モデルケースの退職金額」を想定しています。22歳入社、60歳定年退職で2000万円などというイメージです。

このモデルイメージなしで会社が退職金を設計することはありませんので、担当部署に確認してみると良いでしょう。

ただし、制度の中に確定拠出年金が含まれている場合は、注意が必要です。なぜなら、「◯%で運用できた場合に60歳時点でモデルケースの金額達成」というように想定利回りを織り込んで制度がつくられている場合があるからです。

その場合は、想定利回りに達しないとモデルケースの退職金を下回ってしまうことになります。

もちろん、想定利回り以上の運用成績であれば、老後資金づくりに大きな貢献を果たす最強の制度ともなり得るので「注意」と書いたのは、必ずしも悪い意味ではありません。

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