「外見」の刷新を見送った新型iPhone
アメリカ太平洋時間の9月12日午前10時、アップルは今秋向けの新しいiPhone計3機種を発表した。上位2機種は日本でも14日から予約が始まっており、21日には店頭に並ぶ。

写真1 新製品の「iPhone XS Max」。6.5インチの大型ディスプレイを採用し、写真撮影機能を強化したことなどが特徴。以下、すべて筆者撮影

写真2 同じく新製品の「iPhone XR」。上位機種と性能はほとんど変わらないが、ディスプレイが有機ELではなく液晶になっている。価格も、最上位機と比較して4万円程度安い。6色のカラーバリエーションがあり、ポップなデザインが目を惹く(写真はイエロー)。10月26日発売予定

写真3 左から「iPhone XS Max(6.5インチ)」「iPhone XR(6.1インチ)」「iPhone XS(5.8インチ)」。画面サイズは、「3兄弟」のようにきれいに並ぶ
筆者も、シリコンバレーにあるアップルのアメリカ本社に飛び、発表会を取材してきた。ティム・クックCEOは発表会にて、「iPhoneは世界一、支持されているスマートフォン。なにより誇らしいのは、98%の顧客満足度を獲得していることだ」と高らかに語った。
今回の新型iPhoneも、その人気を維持できるのか?
iPhoneの登場から10年が経過し、スマートフォンはもはや、ありふれた製品になった。コモディティ化したことで、一目でわかる競合製品との違い、際立った特徴を維持するのは、どんどん難しくなっている。


写真4 アップルのティム・クックCEO


写真5 発表会は、アップル本社内にある「Steve Jobs Theater」で行われた
そのような状況下で、アップルは今年、iPhoneの見た目を大きく変えることはせず、「中身」の進化で勝負した。スマートフォンの心臓部である「SoC」(System on a Chip)の独自性を高めることで、スマートフォンの今後のあり方を指し示す“布石”を打ったのだ。
彼らは何をしようとしているのか?
そして、アップルにはなぜ、その“新戦略”が可能なのだろうか?