2018.12.26
# 韓国

米国に見捨てられたら、韓国は北朝鮮より先に「崩壊」する可能性

「サイゴン陥落」への道を振り返ると…
大原 浩 プロフィール

米国は理想を掲げた冷徹な現実主義者

2015年にリッパ―ト駐韓大使が暴漢に襲われ、死につながるような重傷を負った。彼は入院先の病院で、「自分だけでなく米国への攻撃だ」と述べている。

当時オバマ政権であったので、比較的穏便な対応であったが、筆者はこの辺りから米国は韓国を見放したとみている。トランプ政権の現在、同じことが起これば米韓関係は決定的な事態に陥るだろう。

ちなみに、2010年に重家駐韓日本大使が襲撃された事件の犯人は、2015年と同じ金基宗(キム・ギジョン)とされる。このとき金被告は、大使に同行していた女性を負傷させたのに、執行猶予となり収監されなかった。この判決がリッパード事件を誘発したとも言える。

それでは、米国がベトナムのサイゴン政権のように、韓国を見捨てるとして、米国が共産主義独裁国家の北朝鮮と組むことがあり得るのか? 答えはイエスである。

実際、現在の米国のベトナムの窓口はかつて戦火を交えた北ベトナム政府である。米国は「自由と民主主義」を錦の御旗とし、世界中にそれを広げようとしているが、その究極的目的のための手段として、独裁政権を支援することはよくある。

要するに「毒には毒を!」の戦略である。

 

その点で考えると「米中冷戦」において、米国に役立つのは韓国よりも北朝鮮なのだ。

中国が朝鮮戦争で多くの犠牲を払って北を支援したのも、朝鮮半島が共産主義中国と国境を接するからである。

要するに、朝鮮半島は中国のアキレス腱であるのだが、米国がその朝鮮半島を確保するのには韓国では心もとない。おぞましい人権抑圧が行われてはいるが、大統領がころころ変わる韓国よりも、3代も続く金王朝を存続させている北朝鮮の方がよほど安定性があるともいえる。

朝鮮戦争でも、米国の陰に隠れてこそこそしていた韓国軍に対して、北朝鮮軍は中国人民解放軍とともに勇猛果敢に戦った。

南米での米国の行動を見る限り、手のひら返しで金王朝(あるいは首を挿げ替えた北朝鮮)を米国が支援することは十分あり得る。番犬は手なずけることができれば獰猛なほうが都合が良い。米国は北朝鮮を中国を牽制する番犬として取り込み始めているように見える。

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