(→第1弾「ホームレスだったぼくが「お金」について知りたかったこと」はこちら https://gendai.ismedia.jp/articles/-/56401)
深まる疑問
前回の取材を終えてからも、ぼくはまだ「お金の起源」と「仮想通貨」のことについて考えていた。
どうやら「お金の起源」というのは「信用」で、最初のころは形がなかったようだ。それを形にしたものが通貨で、ぼくらそれを使って生活する社会に慣れ親しんでいる。だから形のない「仮想通貨」というものが怪しげに思えるけれど、そもそも通貨は最初から「仮想」だったというわけだ。
うーん、なかなか面白い話だ。
今のテクノロジーを使って最新の通貨を作るとしたらどういうものになるのか、ビットコインはそのひとつだが、果たして違う姿もありえそうだ……考え始めると止まらなくなってくる。

もうちょっとこのへんの話を他の人にも聞いてみたいなと思っていたところ、ニコニコ動画関連の仕事をしているぼくのシェアハウス住人が「仮想通貨の話なら、小飼弾さんと対談しませんか?」と突然話を振ってきた(うちのシェアハウスはぼくを合わせて7人が住んでいるが、全員謎めいていて、たまにこういうことがある)。
小飼弾さんといえば博覧強記の読書家として有名だが、本業はプログラマー。しかも確か今はVALUのリードエンジニアである。これはちょうどいい。
お邪魔したのは、社会問題から科学、IT、書評なども扱うニコニコ動画の番組「小飼弾の論弾」である。
今回のテーマはぼくの取材に合わせて、「「人類とお金」について——フィンテック、仮想通貨からお金の起源まで」、ということでお願いしたが、話は仮想通貨から評価経済のほうへと広がっていった。
(※以下はその模様を編集・加筆したもの)
ビットコインは何がすごいの?
——今、お金といえばフィンテックまわり。特にビットコインなどの仮想通貨が話題です。小飼さんにはエンジニアとしての視点から、お金とビットコイン、そして評価経済についてお話を伺いたいと思っています。
まず小飼さんが考える、現金に比べてビットコインが優れているところはどこだと思いますか?