年末の株価下落で「含み損」を抱えている人たちへ
昨年は年末にかけて株価の急落が続きました。2018年はつみたてNISA(投信の積み立て投資を対象とする少額投資非課税制度)が始まり、これをきっかけに積み立て投資をスタートした人もたくさんいます。
積み立てを始めたばかりの人たちは、年末の株価下落で含み損を抱えているのではないかと推察します。

このような状況で「やっぱり投資なんてするんじゃなかった」と心が折れてしまい、積み立てを止める人は少なくありません。私たちが運用する「ひふみ投信」でも、最近、始めたばかりの積み立てを止めていく人が少し増えてきています。私は、このことをとても残念に思っています。
「損失が出ているなら、止めるのも当たり前なのでは?」
と、思う人もいるかもしれません。しかし、株式市場が下がっているときに「損をしているから」といって積み立てを止めるのはとてももったいないことなのです。
日経平均株価が上がるか下がるか…プロもわからない
前提として理解しておきたいのは、株式市場がこれから上昇するか下落するかは、
「だれにもわからない」
ということです。
「投資のプロは相場を読んで投資しているんじゃないの?」と思うかもしれませんが、株式市場がいつ上昇していつ下落するかというのは、投資のプロにだってわからないのです。
私はよくセミナーで「来年、日経平均株価は上がりますか、下がりますか?」といった質問を受けるのですが、いつもこう答えます。
「日経平均株価について100%言えるのは、上がるか下がるか、どちらかになるということです」
経済評論家などの肩書を持つ人の中には、「株は底値で買えばいい」という人もいます。しかし私のような投資のプロであっても、株がいつ底値なのかを判断するのは不可能なのです。