どうして腰は痛くなるのか
どうして腰は痛くなるのか? どうして椎間板が悪くなるのか? 姿勢と腰痛との関係をめぐる研究は古くから行われてきました。
最も古いところでは、1976年にスウェーデンの整形外科医ナッケムソンにより、姿勢によって椎間板にかかる圧力がかなり違うことが明らかにされたことに端を発します。このことが世界中に衝撃を与えました。

腰痛のある患者に、座ることをすすめるのは実は間違いで、むしろ立っているほうが負担が少ないことがわかったのです。
さらに、1999年に、ドイツのヴィルケ博士らが30種類のさまざまな日常動作における椎間板内圧を測定したところ、姿勢よく座っているときに椎間板にかかる圧は、立っているときと同じくらいかそれ以下で、リクライニングして座っているときに最も圧が減るという結果が出ました。
これは、座っているときのほうが立っているときより腰への負担が大きいとしたナッケムソンの調査とは異なる結果だったため、謎が深まりました。そしてこれは座り方に問題があるのではないかという議論を呼びました。
その後も、正しい座り方を究明すべく多くの調査結果が発表されました。そもそも座り姿勢で最も腰に悪影響を与えるのが、本来は前弯のCカーブを描いている腰椎が、悪い姿勢によって逆カーブになることです。これによって椎間板はストレスを受け、痛みにつながっていくのです。
つまり最も重要なことは、立ち姿勢と同じような負担のない腰椎のカーブを、いかに椅子に座っている状態でも作れるかということです。