「早い」「安い」を求めるのはやめよう!

「働き方改革」と聞くと、今までの日本の働き方が間違えていて、よりよい働き方を目指そうとしてるように聞こえます。

では、何が間違えているのでしょうか。

一番直さなくてはならないのは、「長時間労働」です。

やってもやっても仕事が終わらないという状況に追い込まれるのはつらいことです。これは、経営者の側の仕事の割り振り方に原因があります。今の人員ではこの納期を守ることは難しいとわかっていても、仕事を受けることが間違えているのです。長時間労働に陥るのは、人が足りていないからなのですから。

身の丈にあった経営が、長時間労働脱却への道

そこから脱却するためには、利益目標を落として、のんびりした計画で事業をやればいい。成長するのはやめて、身の丈にあった経営をする。言い換えれば、長時間労働で苦しんでいる場合は、もう成長する必要はないのです。働いている誰もがつらいと思っている会社が長持ちするわけがありません。大企業ではなく、中小企業だからこそ経営者がその選択を容易にできるとも言えます。

長時間労働を解消していくためには、物を買う側、サービスを受ける側の意識も変わらなくてなりません。「早いほうがいい」「安いほうがいい」という意識が、物を売る側、サービスを提供する側に過剰労働を強いている面が否定できません。

ITの世界ではスピード勝負になっていますが、そんなに早く物事を進める必要が本当にあるのでしょうか。ほとんどの場合で、そんなに早く進めなくてもいいのではないのでしょうか。amazonで本を注文したら、多くの場合は翌日には届きます。しかし、別に一週間後でもぜんぜんかまわない方がほとんどでしょう。あれだけ早く届くなら、届ける側の働き方に絶対ゆがみが出ているはずです。

物は安いほうがいいという考え方も、変えなくてはなりません。安い商品を提供するためには、人件費を削る必要があります。牛丼1杯を250円で売るには、少ない人数でめまぐるしく働いてもらうしかありません。そこで働いている人が、どれだけの賃金をもらっているのでしょう。その時間と労力に見合った額をもらっているとは、到底思えません。

市場での競争に勝つために、「1秒でも早く」「1円でも安く」という思考は市場の論理として当然です。しかし、社会全体でこの意識を変えなくては、過剰労働を減らしていくのは難しいのです。