2019.03.01
# ビジネスモデル

一見、時代遅れな「質屋」がつぶれない意外な理由

ビジネスは「逆張り」を狙え
「人の行く 裏に道あり 花の山」。多くの人とは違った考え方で行動すること、つまり「逆張り」の大切さを説いた、投資の世界で有名な格言だ。不動産コンサルタントで、著書『厳しい時代を生き抜くための逆張り的投資術』がある長谷川高氏は、ビジネスも「逆張り」で考えれば、意外なところにチャンスが見つかるという。そのヒントになるのが、時代遅れと思われがちな質屋。一体なぜ、質屋はつぶれないのか……? 長谷川氏にそのカラクリを教えてもらった。

ビジネスは逆張りで考える

ほとんど注目されていない業種や職業、もしくは今では時代遅れの業種や職業に注目し、その業界に新たに参入する人は多くありません。だからこそ、その業界で何らかの工夫を加えた新ビジネスをやってみる、ということもまさに逆張り的発想です。

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たとえば、質屋という業種があります。私は周りで質屋をやっている人、または質屋で働いている人を誰も知りません。また質屋を利用している人も1人も知りません。

ですが、なぜか街中でときどき質屋を見かけます。1960年代以前を舞台にした小説などを読むと、よく大切な時計や和服などを質に入れてわずかなお金を借りるといった話が出てきますが、今はこのようなお金の借り方をしている人もほとんど見かけません。

現在の質屋は、品物を持っていってお金を借りるのではなく、ブランドものなどを持ち込んで現金に換えるといった業態に変わってきているように感じます。

私が質屋に興味を持った理由は、以前、質屋という貸し金業者がどのくらいの金利でお金を貸しているのだろうかと調べたためです。

その結果驚くべきことがわかりました。質屋では、貸金業法は適用されず、質屋独特の質屋営業法なる法律が適用されているのです。そのため、なんとグレーゾーン金利をはるかに上回る高い金利でお金を貸しているのです。

とはいえ、お金を借りるのであればクレジットカードのキャッシングや銀行系カードローンなどで十分事足りるでしょう。ですから、いまさら新たに質屋を開業する人はいないように思います。

しかし私は、ここに逆にチャンスがあるのではないかと思います。皆が見向きもせず、時代遅れだといい、競合する者が少ない。何か新しい発想を持った者はこの業界には入ってこない。しかしながら、貸金業法で規制されている金利をはるかに上回る高い金利を設定できるのです。

 

私の質屋に関するちょっとしたアイデアを少しお聞きください。

今後、日本においてカジノが解禁されようとしています。

このカジノの近くで質屋を開業し、中古の高級時計や宝石の販売店も併設します。つまり質屋と高級宝飾品店を隣接して営業するのです。

カジノでその日持参した現金をすってしまったお金持ちが、クレジットカードキャッシングによってATMからもお金を出し切った後に(カジノの中にATMがあるかどうかはわかりませんが、もし何らかの規制でATMがなければなおのこと)、その日さらに賭け事を続けたいと考えたときは、どうにかして現金をすぐに用立てようとするでしょう。そこで、カジノの近くにある宝飾品店が役に立つのです。

たとえば500万円の高級時計をクレジットカードで買い求め、その時計を隣にある質屋に持ち込むのです。質屋では、300万円程度しか貸してくれないかもしれませんが、高級時計を現金化して、再度カジノに向かうといった具合です。私のアイデアはこれを期待したものです。

これはある意味、カジノで遊ぶ富裕層をターゲットにした正真正銘の「富裕層ビジネス」です。

こういった質屋の営業の仕方が、間違いなく出てくると私は思います。

ここでミソなのは、高級宝飾品店とのセットだということ。ダブルでもうけるのです。

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