詐欺まがいの事例も
あえてここではサービス名は出さないが、 アマゾンの商品を安く購入したいユーザーと、アマゾンギフト券やクレジットカードのショッピング枠をビットコインに換金したいユーザーをマッチングするという仕組みもほぼ一緒である。
他にも、アマゾンギフト券の現金化を行う業者は多くおり、詐欺まがいの事例も少なくないのが現状だ。アマゾンギフト券のコードだけ送らせて実際に買取をしなかったり、高額買取を謳いながらも細かな利用規約に「1枚しか高額買取をしない」と書かれてあったために二束三文にしかならなかったりという具合である。
アマゾン側も対策をしていないわけではない。公式サイトでは「Amazonギフト券のご購入に関する注意」 というタイトルで、アマゾンギフト券を特定の転売サイトから購入しないように注意を呼びかけている。
同様に、アマゾンギフト券を転売サイトなどに売ることも禁止している。もし、転売が発覚した場合には、アマゾンの規定に則りアカウント停止などのペナルティが課せられることもあるのだ。
ただ、パースのようなサービスは従来の転売サイトとは異なるため、現時点でアマゾン側の注意喚起やペナルティには限界があるだろう。全てはユーザーの良心に任されていると言っていい。
豊富な品揃えや即日配送をはじめとする様々な方法でECの常識を覆していったアマゾン。破竹のごとき勢いで成長した結果、私たちの生活がより便利になったことは間違いない。
その一方で、アマゾンが世界中で支持されるがゆえに、アマゾンギフト券にも価値が生まれ、換金性も高くなっていった。そして、その換金性の高さは、ときに現金がほしい人間のニーズを満たすために使われることすらある。
アマゾンの商品を割引価格で購入できるパースやそれに類するサービスは、表面上は画期的で思わず使いたくなってしまうだろう。
しかしながら、利用する前によく考えてほしい。もしかしたら多重債務を抱える人間がアマゾンギフト券を現金化してしまっている可能性を。もしかしたら犯罪者のマネーロンダリングに手を貸してしまっている可能性を。
あなたが割引を受ける代わりに、誰かが大きな損をしているかもしれない。