SDGsという目標が掲げられたことで、問題意識は世界中へ拡散! 各国でさまざまなプロジェクトが立ち上がり、賛同した市民が動き出しています。社会を変えるのは身の回りから。小さくも偉大な、その一歩を紹介します。
自然の循環システムに学ぶ、
都市につくられた食育の森

高層ビルが立ち並ぶ中に、自然の森をお手本にした661㎡のスペースが。
台湾北部の街、新竹の真ん中に現れる、自然豊かな広場。公園かと思いきや、そこに育っているのはたわわに実をつけたバナナや、みずみずしい野菜で、実際に食べられるものばかりだ。運営するのは、都市部の緑化を推進する環境ボランティア団体、梧桐基金會。2014年にアメリカ・シアトルで実践されている「ビーコン・フード・フォレスト」を訪ね、その思想に感銘を受けた彼らが、同じく2014年から活動を始めた。 収穫できた野菜や果物。
「フード・フォレスト=食べものの森」とは、パーマカルチャーから生まれた考え方。自然の森では、実のなる木がバランスよく共存し、鳥や虫がいることで特定の害虫が大量発生することもなく、彼らの糞は木々の栄養となる。生命の循環によって、食料となる実や葉が自ずと育つのだ。 循環システムを作るため、最初こそ人の手が必要。
フード・フォレストは、その仕組みに学ぼうというカリキュラムで、都心に暮らす人々への食育の場となっている。現在はボランティアチームが手をかけて育てているが、ゆくゆくは森林の循環システムに沿って都心でも自ずと果実や野菜が育ち、人間と自然が共存できるようになるのが目標だ。
FOOD FOREST:https://www.facebook.com/TaiwanFoodForest
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Coordinate:Machiko Suzuki Text:Yuka Uchida Edit:Yuka Uchida