SDGs先進国と言われるスウェーデン。中でも南部に位置する都市マルメは、オーガニック食材やサーキュラーエコノミー、ゴミ問題に関する関心が高く、住民による活動が盛んなエリアでもあります。マルメのローカルから未来のありかたを学びましょう。

マルメの中心部から車で15分ほど、2300平方メートルという広大な土地に、およそ200種類のオーガニックの野菜や花を栽培するのがファーマーのセシリア・ワードです。

SNSの売買システムで
効率よく地産地消を実現

 

もともとフィンランドで始まったレコリングは、持続可能な農業という考えに基づいている。生産者も消費者もフェイスブックのグループに登録するだけという気軽さが魅力。受け渡しは毎週1回。冬は隔週となる。

近年、アーバンファーミング(都市農業)人気が高まる中、セシリアが活用するのがREKO-ring(レコリング)という新しい売買システム。地産地消がコンセプトで、フェイスブックのグループに登録するだけで、消費者は直接生産者から野菜を買うことができる。農家が今週採れる野菜を投稿し、買い手はコメント欄から注文をする。受け渡し日と場所はあらかじめ設定してあり、電子決済スウィッシュで支払いをする。地元の農産物を住民が手に入れやすくなるレコリング。マルメエリアでは最初にセシリアが立ち上げた。
 

採れたての野菜を見せてくれるセシリア。「私の活動はSDGsナンバー11のまちづくりや12の『つくる責任 つかう責任』、13の気候変動の項目に当てはまる。今後は7のエネルギーに関する活動も予定しています」

「マルメは、食に対する意識が高い街。30万人の人口に対して、8500人ほどの登録者がいます。注文制なので無駄に採らなくて済むし、売れ残りがない。ローカルエコノミーにも貢献しているし、パッケージや配送コストも二酸化炭素排出量も減らせるので環境にも優しい。なによりも直接みんなに会えるのが楽しくて。本当にいいことずくめなの」

 
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●情報は、FRaU2019年1月号発売時点のものです。
Photo:Norio Kidera Coordination:Akiko Frid Text&edit:Chizuru Atsuta

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