ゆり子さん演じる〝百合ちゃん〞も、ドラマの中で迷いながら、もがきながら、自分らしい人生を模索していく。原作の漫画を読むだけでも、〝女の人生に正解はない〞ことを痛感させられる。
「今って、女の人の生き方もすごく多様化していますよね。『結婚して子供を産むのが女の務めだ』って決めてかかる社会の風潮に対して、反発したい女性だって、実は大勢いると思う。40歳を過ぎても結婚していないと、『何であいつは結婚できないんだ?』とか『何か欠陥があるんじゃないか』とか詮索されますし、私も『石田ゆり子はなぜ結婚できないのか?』みたいな記事を何度か目にしたこともあります。そのたびに、『結婚できないわけじゃないの、しないだけなの!』って、ドラマのタイトルみたいなことを叫びたくなったりして……(苦笑)。
私からすれば、結婚という選択をしてもよかったタイミングは何度かあって、でもそこで結婚を決断しなかったってことは、〝その人ではなかった〞ってことなんだろうな、と自分では思ってるんです。
事情もよく知らないのに、なぜ『できない』と決めつけるのか。結婚って、しなくてはならないものではないと私は思うし、たとえばパートナーがいても、結婚という形をとらない人たちもいる。人生の選択は人それぞれなのに、メインストリームから外れた生き方を選んでいる人のことを否定したり、悪く言ったりするのって、同じ大人として情けないですよね。他者に対する思いやりや想像力が欠落している気がして、悲しくなります」