こんなに綺麗で、上品で、優しくて、自立した大人の女性が身近にいたら、〝将来はりりちゃんのようになりたい〞と姪御さんが思ってもなんら不思議ではない。姪御さんたちから憧れられているのでは?と水を向けると、「だめ、私のような生き方は、絶対に勧められません!」と即座に否定されてしまった。
「私は、自分の人生だからいいですけど、もし姪たちに人生について相談されたら、早く結婚することを勧めます。ちょっと大袈裟な話になりますけど、私、人が享受できる最大の幸福というのは、自分がしたことで誰かが喜んでくれることだと思うんです。たとえば、一緒に暮らすパートナーにコーヒーを淹れたら、喜んでくれたとか。料理を作ったら、『おいしい』と言って食べてくれるとか。そういう日常の些細な喜びが、人生がもたらす幸福だと。私は……もうね、そういう意味では行き詰まってます(苦笑)。
一人暮らしは十分満喫したし、ここから先は誰かの役に立ちたいと、今は本気で思っていて。旦那さんや恋人じゃなくても、社会の誰かの役に立ちたい。俳優業だって、喜んでくれる人がいるから、私を必要としてくれる人がいるからやっているのであって、自分が綺麗に映りたいとか、そんなことはどうでもいい。もちろん、綺麗に撮ってもらえれば、有り難いし、幸せですよ。でも、そんな喜びは一瞬で消えていってしまう。
自分のエゴがないところで、自分のしたことを誰かが喜んでくれることのほうが、ずっとずっと価値がある。子供がご飯を食べて大きくなるとか、夜に夫婦喧嘩しても、朝には〝おはよう〞って挨拶をして、また普通の日常が始まるとか、そういう他者と共有する何気ないことが、幸せなんだろうなって。今ここまで一人暮らしを続けてきて、ラクだし幸せだと思う反面、〝他者と共有する喜び〞はないわけで、私もさすがに、人生そろそろ切り替えの時期なんじゃないかって、すごく思うわけです」