2019.03.28
# 野球

独白!監督4年で3度の日本一 工藤公康が語る苦悩と真実

「正しさ」より「幸せにする言葉」を
工藤 公康 プロフィール

この日が、きた!

06年まで巨人。07年から3年間は横浜ベイスターズでお世話になりました。

10年には、古巣の西武ライオンズで1年。

12年からは、テレビ朝日の報道ステーションのスポーツキャスターに転じて3年。

王会長から声をかけていただいたのは、そのスポーツキャスター3年目の秋でした。

いつかは、王会長、福岡のファンの皆様に恩を返したいと思ってはいましたが、まさかこのタイミングだったとは。お会いして事情を伺ったとき、私の心は決まっていました。

この日が、きた!

それから周りの方、家族、友達にも話をして、理解してもらいました。

15年、リーグ優勝、日本一で連覇をはたしました。

ただひたすら勝つことを考え、福岡のファンの皆様と王会長に少しでも恩を返すことができるならと思い、突っ走りました。監督とはどういうものなのかも知らず、ただ、自分の経験、野球観のみに頼った1年でした。

16年は私のおごりから失敗した1年でした。日本ハムファイターズに逆転されて、パ・リーグ2位。けれど、自分に足りないものには気がつかず、ただ悔しい気持ちを翌年に晴らしたいと思っていました。

17年、悔しさをバネに選手たちが一つになってくれた年。スローガンは「1(ワン)ダホー!」。「1」を入れたのは頂点を目指すためです。初めて勝って涙を流しました。

18年、自分自身のやり方に疑問をもち、シーズン途中「このままではダメだ!」とやっと自覚し、周囲に支えられていることに気がつきはじめたのです。リーグ2位で日本一をつかみ取れたのは、満身創痍で頑張ってくれた選手たちの力のおかげです。

自分が変らなければ、何も変わらない

18年オフ。自分が変わらなければ、何も変わらない。自分は何がしたかったのかを見直し、それを伝えるための方法を、自分自身でもう一度考える時間となりました。

そして迎えた19年。昨年の反省も踏まえ、はたして変われたのか変われていないのか、確たる自信はありません。

ただ、周りを幸せにするために自分にできることをやり抜く。コミュニケーションと配慮を心がけ、この1年戦っていくつもりです。

失敗から学ぶ

失敗をすることによって、時間はかかりますが、学ぶことがたくさんあると私は思っています。

人は失敗をするのです。

そこから何を学ぶのか、どう変わるのか。それが大事なのではないでしょうか。

 

本書には、私の失敗談、反省の弁があります。

私自身が本当に変わるためには、本という後世に残るものの中で、自分自身の非を認め、そこから先へ進むことが必要だと思っているからです。

人間としても、監督としても、一生勉強の心を持っていきたい。これからも野球界に携わる者として、1年でも長く、1日でも長く、選手たちに野球をする喜びを味わってほしい!

そう心から願っています。

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