中国の年金の将来は日本よりよっぽど悲惨だ

「中国の夢」は夢のまた夢か
北村 豊 プロフィール

2033年には「超高齢社会」

国際連合の専門機関である世界保健機関(WHO)などの定義では、65歳以上の人口が総人口に占める割合である「高齢化率」が7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、21%超は「超高齢社会」とされている。

中国は1999年に高齢化率が7%を超えて高齢化社会へ突入し、2018年末時点で11.9%に達している。このまま行けば2026年までには高齢化率は14%を突破して高齢社会となり、2030年頃に18%に達し、2033年頃には21%を突破して超高齢社会に入り、2050年頃の高齢化率は33%に達すると予測されている。

国務院参事で、中国人口・発展研究センターの元主任である馬力(ばりき)によれば、中国には1950年代の第1次、1960年代の第2次、1980年代の第3次と3回のベビーブームがあったという。

第1次ベビーブームに生まれた人は2010年頃に60歳以上の年齢に達し、第2次ベビーブームに生まれた人は2022年頃に60歳以上になり、第3次ベビーブームに生まれた人は2044年頃に60歳以上の年齢に突入する。

このため2020年以降に中国の高齢化率は急速な発展を示し、2049年前後に高齢化率のピークを迎えると馬力は予測しているという。上述した2050年頃の高齢化率33%が馬力の言うピークと考えられる。

 

上述の通り、2018年末時点における中国の総人口は約14億人であったが、2050年時点での総人口は13.6億人と0.4億人ほど減少するものと予測されている。

この前提に立って、2050年の人口構成を考えると、65歳以上の高齢者が33%、すなわち約4.5億人を占め、64歳以下の人口は9.1億人となる。

この点について、易富賢は、中国の20~64歳の労働者に対する65歳以上の高齢者の比率である「高齢者扶養比率」は、2015年の6.5から徐々に下降して2030年には3.3、2050年には1.7、2100年には1.1となり、人口構成の高齢化は止まらず、経済活力の低下は持続すると推測している。

この易富賢の推測を2050年の人口構成に当てはめると、4.5億人いる65歳以上の高齢者1人を20~64歳の労働者1.7人で支えて行くことが必要となる。

それが2100年には高齢者1人を20~64歳の労働者1.1人で支えて行くことになるが、これは1.1人の労働者で1人の高齢者の年金を賄うということで、どう考えても不可能な話である。

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