娘へのプレゼントに自分がハマって…
去年のクリスマスに8歳の娘にスポーツバイクを買ってやった(ウチでは、いまだにサンタさんが持ってきたことになっている)。
仕事にかまけて、なんと12月23日になってから自宅近くの小さな自転車屋さんBを訪れたのだが、問屋さんの在庫はあるものの、配送に2日かかるので、さすがに間に合わない。そこで、全国展開している大手スポーツバイク店に行ってみたら、その場で在庫があり、24日の昼間に納車してくれるというので即決した。
アメリカのM社製で、価格は6万円台。子ども用の自転車としては、かなり高級だ。
娘は、年中児の頃からアウトドア専門の学童クラブで頑張っていて、去年の11月には「しまなみ海道」を自転車で走破した。小学2年なのに一日50km以上も走ってへこたれなかったのだから、サンタさんがご褒美をくれても不思議じゃない。
ところが、その後、スポーツ自転車にハマったのは、娘ではなく私だった。
娘の自転車が来てから数日のあいだ、私と妻とで横浜のbaybikeを借りてサイクリングに出かけていたが、毎回、お金を払うことを考えたら、安い自転車を買ったほうがよかろうという話になり、夫婦とも6万円台のクロスバイクを購入した。娘の自転車と同じ値段なのだから、大人のほうはリーズナブルな自転車ということになる。

あっという間に毎日の習慣に
ただし、大人の自転車は、大手バイク店ではなく、12月23日に訪れた、ちっちゃな自転車屋さんで注文して購入した。
じつは、大手自転車店は、以前、娘の幼児用自転車がパンクして修理してもらおうと思って持っていったら、「ウチはロードバイクのパンクしか修理しません」と断られてしまったのだ。ここは貴族専用のクラブだから、平民はお断り、みたいな雰囲気だった。まあ、スポーツバイクの専門店なのだから、ママチャリや子ども用の自転車は他をあたれ、というのは一理ある。
一方、自宅近くのちっちゃな自転車店B。じつは、こちらもスポーツバイク専門店である。しかし、私は、雑然とした店内に、何台もの修理中のママチャリが置いてあるのを目撃した。つまり、こちらのお店は、近所の困っているお客さんがいれば、スポーツバイクでなくとも、数百円の駄賃で気持ちよく修理してくれるのだ。店員さんは、閉店時間を過ぎても自転車をいじっているし、ようするに自転車が好きで好きでたまらず、ここで働いている。
急いでいたとはいえ、「良心的なお店」で買わずに、われわれのような「(自転車)平民」を見下している店で娘の自転車を購入してしまったことを後悔していた。

だから、私と妻のクロスバイクは、ちっちゃな自転車屋さんで購入することにしたのだ。
で、娘よりも妻よりも、気がついたら私がディープにスポーツ自転車の世界にダイブしていった。私は、毎日のようにこのちっちゃな自転車屋さんに「駄弁り」に行く。そして、毎日、小一時間はクロスバイクで自宅近辺を走り回るようになった。