2019.04.30
# 資金繰り
負債140億円から復活した社長が断言「メガバンクより地銀を選べ」
賢いメインバンク選びとは使う、集める、残す……。規模の大小にかかわらず、経営者には心得ておくべき「お金の基本」がある。それを教えてくれるのは、140億円の負債を抱えながら奇跡の復活を果たした経営コンサルタントで、著書『社長のお金の基本』もある三條慶八氏だ。どの金融機関と付き合うかは、経営者にとって悩みどころだ。メガバンクか、それとも地銀か、はたまた信用金庫か……。三條氏にずばり正解を教えてもらった。
大手が良いとは限らない
何事にも“釣り合い”が大事です。メインバンクは大手行のほうが企業イメージがいいという思い込みは大きな誤解です。

会社の規模を認識しないで、大手行にこだわる姿勢は、金融の事情をよく知っている人の目には「見栄っぱり」、あるいは「金融機関のことをよく知らないのだな」と映り、場合によっては、社長の愚かさを自ら白状していることにもなりかねません。
メインバンクとはどんな銀行をいうのでしょうか。辞書には、
「企業の経営活動において、その取引銀行のなかで最も多額の融資を受け、人的・資本的に、あるいは情報の上で密接な関係にある銀行をいう」
とありますが、私はもっと端的に、次のように説明しています。
メインバンクとは「保証協会付融資でなく、信用貸しをたくさんしてくれる銀行のこと」です。つまり、担保などではなく、リスクを伴う資金をいくら出してくれるか。
いざというとき、本当に頼りになるのはこういう銀行です。
リスクのない資金なら、どこの銀行でも、いつでも貸してくれます。
見栄や体裁にとらわれることなく、いざというとき頼りになる、本当に親身になってくれる銀行と親しい関係を構築しておくこと。
これが中小企業の社長としていちばん重要な仕事だ、といってもいいくらいです。