2019.05.07
# 経営

デキる社長は「3つ以上の金融機関」を競わせながらつき合う

「1行取引」が超危険なワケ
使う、集める、残す……。規模の大小にかかわらず、経営者には心得ておくべき「お金の基本」がある。それを教えてくれるのは、140億円の負債を抱えながら奇跡の復活を果たした経営コンサルタントで、著書『社長のお金の基本』もある三條慶八氏だ。金融機関とのつき合いは、経営者にとって重要な仕事のひとつ。三條氏は「3つ以上の金融機関とつき合い、おたがい競争させる」ことを推奨する。その理由について詳しく教えてもらった。

「地銀合併」は今後も進む

いうまでもありませんが、メインバンクとよい関係性を築き、保っていくことは、経営の基盤を堅固にするためにも欠かせません。

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だからといって、メインバンク1行に取引を集約してしまい、1行としかつき合っていないのは危険です。

ところが中小企業には、この1行取引が多いのです。

1社のみとのつき合いでは、競争原理が働かないために金利は高いし、担保もたくさんとる傾向が見られます。言い方は悪いですが、銀行が優位に立っていいたいことを押し付けてくる可能性も大きいのです。

こんなとき、他の銀行との取引がないとなるとほかに選択肢がなく、不条理だと思いながらも銀行のいうままに従うほかはない、ということになりがちです。

 

拙著『社長の基本』でもふれましたが、地方銀行の再編はさらに加速するだろうと見込まれています。地銀とつき合う場合には、2つか3つの銀行を合併させて1行にするという流れはもはや止めることはできないという考えをおろそかにしてはいけません。

この再編問題は非常に重要な問題であり、多くの地方企業に深刻な影響を与えかねないことも意識しておく必要があります。

合併が行われた場合、取引銀行が吸収する側ならまだしも、吸収される側だった場合、新体制のもとではそれまでメインバンクだった銀行は力を失い、引き続きスムーズに融資を受けるのがむずかしくなる可能性はけっして小さくありません。

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