2019.04.21
# キリスト教

イースターの日は、みんなどうやってお祝いしているの?

自殺や絶望から救われる「復活の物語」
今日はイースターです! あなたはどのように過ごしますか? レバノンから来日して45年以上が経った、日本で客員教授をつとめる石黒マリーローズ氏のエッセイから、「イースターとは、いったい何をするイベントなのか?」を一緒に考えてみましょう。

ノートルダム大聖堂の悲劇、復活

何十億ものクリスチャンにとって1年のうちで最も神聖な時期、イエスがどのように裏切られ、侮辱され、叩かれ、嘲られ、十字架にかけられたのか、それらを沈思黙考するときである聖週間(イースター前日までの1週間)に、ノートルダム大聖堂で悲劇が起こりました。

ノートルダム大聖堂で起こった悲劇は、悪人たちによって多くの人の生活がどのように壊され、被害を蒙り、打ち砕かれるのかを示す光景のようでした。しかし、ノートルダム大聖堂は修復され、今よりもさらに美しくなることでしょう。

実際、イースター(Easter、復活祭)は私たちが希望を持つべき貴重な時です。なぜなら、イエスの復活によって、誰の希望も、またそれがどんな希望であろうとも、粉々に打ち砕かれることがなくなったからです。

イースターがなければ、クリスマスは存在しません。その逆もそうで、クリスマスがなければイースターは存在しません。

それはどうしてでしょうか? 親愛なる読者の皆さんの中には「それはどういう意味ですか?」と訊く人がいるかもしれません。実のところ、イースターはまだ日本において、多くの人に知られているわけではないからです。

イースターとはいったい何でしょうか? 

それは、「復活の物語」です。多くの人にとってイースターのお祝いは、悲しみや無慈悲から癒やされる物語でもあります。

ですから、復活の主日や復活の月曜日、またそれに続く期間には、世界中の人々が勝利の復活を祝います。

パレードや家族との豪華な食事によって、“ハッピー・イースター”を互いのために願うことによって、友人や家族から送られた綺麗な“ハッピー・イースター”カードのメッセージを読むことによって、あるいは家族を訪れて美味しいお菓子やケーキでもてなされることによって、祝うのです。

またイースターは、子どもたちがイースター・エッグ(卵)やイースター・バニー(うさぎ)、あるいはオーストラリアの場合だとイースター・ビルビーを探す、サプライズのときでもあります(ビルビーとは、長い鼻と長い尻尾、そして大きな耳を持つオーストラリアの動物です)。

イースター・エッグ(photo by gettyimages)

ウクライナのイースター・エッグ

ウクライナ出身の友人によると、彼の国で最もよく知られる伝統は、ピサンキと呼ばれるイースター・エッグの彩色だそうです。

この友人が言うには、以前は厳格なガイドラインに沿って卵に色を付けていましたが、近年では、復活の主日の何日か前に家族や友人たちが集まり、一緒に色を付けるのだそうです。

もちろん、世界中が精神的な祈りや断食によって「聖週間」に焦点を合わせている間、人にもよりますが、楽しいイースターのためにいろんな種類の食事やお菓子、新しい命の象徴であるイースター・エッグを準備する人もいます。

これらの卵は食べられないので、イースターの籠の一部となっているのです。皆さんきっと驚かれるに違いありませんが、それらの卵は色を付ける前に中身を空っぽにされているのです。

それはいささか難しそうに感じられるかもしれませんが、卵を茹でることなく中身を出すことができるのです。

ここで興味深いのは、ウクライナの友人が言ったように、中には、卵の中身を取り出すときに開けた穴に糸を通して、それらの卵を家のまわりに飾っている人もいることです。

日本の飾りつけとは異なっていますが、世界中の様々な、しかしどれもイエスの復活を祝うイースターの伝統に基づく方法なのです。