被害者続出…あまりに巧妙「オレオレ詐欺」はここまで進化した

他人事だと油断してはいけない
週刊現代 プロフィール

家電の購入履歴も利用

個人情報を詳細に把握したうえで騙しにかかる手口に、電器店詐欺というものもある。自宅に「X電器のハシモトです」と、大手家電量販店を名乗る人間から電話がかかってくる。

「そちらの娘さんが当店で大型テレビを購入されたのですが、代金がまだ支払われておりません。担当の者を伺わせますので、代金をお渡しいただけますでしょうか」

シンプルな手法だが、この手口が怖いのは「ヤマダ電機」「ビックカメラ」などと実在の量販店の名前を出すこと、なおかつ商品の購入情報を入手したうえで電話をかけてくることだ。

実際にこの電器店詐欺の電話が自宅にかかってきた都内在住の80代の女性の場合、本当に自分の娘がその量販店で大型テレビを購入したばかりだった。ギリギリのところで被害は免れたが、一歩間違えれば信じてしまってもおかしくなかった。

 

詐欺業界は「日進日歩」と言われる。もちろん、息子や娘を名乗り、「会社のおカネを落としてしまった」「事故を起こして示談しなくてはならない」とカネを要求する手法もいまだに横行している。

しかし、詐欺の手口や機材は日々、最新のものに更新され続けている。

「電話をかける部隊『掛け子』と、受け子は完全に分離されています。現在、掛け子のアジトは『非店舗型』が多い。昼間のキャバクラやスナックなどを短期間借りたり、地方のビジネスホテルを転々としながら電話を掛け続けるグループもいます。

いま都内ではマンションの一室に掛け子を集めるような古いやり方の組織はないでしょう」(前出・記者)

受け子には普通の大学生なども多いという。3月27日、警視庁はタクシーを使って高齢者宅を回り、受け子をしていた神奈川県在住の19歳の少年を詐欺などの疑いで逮捕。

昨年11月には大阪府警が、同じく受け子役をしていた東京都在住の14歳の男子中学生を詐欺未遂容疑で現行犯逮捕した。このように、受け子、掛け子、見張り役、ATMで現金を引き出す「出し子」などに、10代の少年たちが入り込んでいるのだ。

中には「高齢者のお宅に電話をかけるアルバイト」とだけ聞かされて集められた若者もいるという。当然、やっているうちに合法の仕事ではないと気づくのだが、自分の住所や連絡先も把握されてしまっているため、彼らも辞めるに辞められなくなる。

相続などを考え、自身が所有している土地を処分しておこうと思う人もいるだろう。

そんな人が危ないのが、土地測量詐欺だ。ある日、不動産屋を名乗る男から「あなたの土地を買いたいという人がいる。よければ、お宅に伺っていいか」という旨の電話がかかってくる。当日、不動産屋、購入希望者、そして測量士の3人がやってくる。

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購入者はその土地の相場以上の金額での購入を持ち掛け、所有者が前のめりになったところで、測量士が切り出す。

「土地の境界線を明確にしなくてはいけないので、まず測量をさせてもらえませんか。多少の費用は頂きますが、すでに購入者の方もいらっしゃいますし、十分お釣りがきますよ」

そう言って測量を行う。所有者は「費用は数万円から数十万円ぐらいだろう」と高を括っているが、測量士からは100万円ほどの請求が届く。痛い出費だが、土地が評価額以上で売れるなら安いものだ――。

もうおわかりだと思うが、全員がグルだ。測量代を払ってしまったら、不動産屋も購入希望者も測量士も二度と連絡が取れなくなる。

昨年11月28日、警視庁は都内の不動産会社代表ら13名を詐欺などの疑いで逮捕した。千葉、栃木などに住む60~90代の男女4名から、土地測量詐欺で計約470万円を騙し取った。逮捕者の中には、半グレ集団「関東連合」のOBもいたという。

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