事業継承には時間をかける
私の父は、私が大学生のころから仕事に巻き込み、卒業後、私は否応なしに、父の仕事を継承する道を歩み出していました。

最近は、成人後も子どもを自由にさせておいたり、留学をさせたりする経営者も少なくありません。
こうして自社の経営や将来について話をする機会も設けないまま、ある年代になると、そろそろ会社を継いでくれないかといい出すのでは、継承することに難色を示すのも無理はないでしょう。
子どもが小さいときから、会社の将来について、夢や新たな可能性などを語る機会を設け、後継者となる子どもと夢を共有できれば、次世代も自然に会社の先行きに関心を抱くようになるはずです。
継承にも下準備があり、手順があるということです。私は親と外食するときの会話は、いつも商売の話ばかりでした。そこで商売とは何かを自然に身につけたような気がします。
歌舞伎界など伝統芸能の世界のように、小さいときから培った素養は身体に刻み込まれていくものです。
なお、子どもが複数いる場合、会社に入れるのは1人にするようにしましょう。複数入れると、いまは仲良く力を合わせていても、長い間には確執が生まれないとはかぎらないからです。
ほかの子どもには別会社をつくって、そちらの経営を任せるなどの方法を考えるといいと思います。