株大暴落のZOZO・前澤社長の「新しい戦略」は復活のための秘策?

決算発表からは「見えない将来」
松崎 隆司 プロフィール

「ZOZOスーツ」の蹉跌

インターネットを使ったファションの販売では圧倒的な優位に立っているとはいえ、今後どうなるかはまだまだわからない。収益の9割近くを「受託販売」に頼る「ZOZOタウン」にとっては絶えず危機が横たわっているということだ。そのような中で前澤社長が挑戦したのは、ユーザーひとりひとりの体形に合わせたPB商品の提供だ。

しかも、オーダーメイドで、かつ大量生産。PBは「受託販売」とくらべても利益率が高い。しかしこれまでは「オーダーメイド」でテーラーが一人一人を採寸していたから大量につくることはできず、日数もかかり料金も高くついていた。

そこで前澤社長はニュージーランドのソフトセンサー開発企業「StretchSense」と伸縮センサー内蔵の採寸用ボディースーツ「ZOZOスーツ」を共同開発。このスーツをユーザーが着用すると、自動的に採寸され、そのデータをスマフォで送ることができる。ZOZOではこのデータをもとにフルオーダーでスーツなどをつくり、低価格で提供することにした。

自分にもっともぴったりと合うサイズの服が簡単に手に入れば、ユーザーは殺到する。この時前澤社長はそう読んでいたに違いない――。前澤社長は2018年1月31日からプライベートブランド(PB)「ZOZO」をスタート、「ZOZOスーツ」の無料配布を実施した。

 

当初の計画では2019年までに600万枚から1000万枚を配布する計画だった。そして5月には予約が100万枚を突破、初年度売上高200億円を目指すことを宣言した。これに連動するかのようにZOZOの株価は2000円台後半から一気に上昇、7月には4875円の年初来最高値を付けたが、その後株価はジェットコースターのように大暴落、2019年に入ると2000円を割った。

実はこの間、期待の「ZOZOスーツ」の生産が間に合わず大幅な遅延が起こり混乱。実際にこのサービスを利用した顧客からも「サイズが合わない」「服がしわになっている」といった声がネット上に上がる事態も起きた。人件費や搬送費などが嵩む中で目標の200億円は遠く及ばす、2018年度の決算ではPB事業は143億7600万円の営業赤字に転落。2018年11月には、この計画を300万枚まで縮小する計画を明らかにした。

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