株大暴落のZOZO・前澤社長の「新しい戦略」は復活のための秘策?

決算発表からは「見えない将来」
松崎 隆司 プロフィール

オンワード、ミキハウスの「言い分」

そんなPB事業の不調を目の当たりにした前澤が打ち出したのが、「ZOZOARIGATO」だった。これは事前に会員登録すれば、割引が受けられるという仕組みだ。月会費は500円、年会費なら3000円を支払えば初回は30%、その後は10%の割引が最大5万円まで受けられるというものだ。割引分はZOZOが負担し、割引かれた金額は自分はもちろん、支援団体や購入したショップへの寄付や応援に使うこともできるというサービスだ。

確かに有料会員制をとれば、会員登録や更新の際に年会費が入る。ZOZOの資金繰りは改善するし、元を取ろうと会員が商品を買うから一人当たりの年間購入金額が伸びる可能性も高くなる。しかし、値引き戦略は“もろ刃の剣”だ。集客には大きな力を発揮するが、長く続けると逆に商品のブランド価値が低下してしまうという落とし穴も隠されている。割引を続けることで消費者は割引価格に慣れてしまい、ブランド価値が毀損する。

さらにメーカーからも反発の声が上がることは、必至。事実、大手のオンワード樫山やミキハウスが取引停止、または検討を始めた。

「ZOZOタウンさんとは長いお付き合いでしたが、長期間の割引をされるとブランド毀損する。昨年12月25日に出荷を停止させていただきました」(オンワード樫山HD広報担当者)

「ネットで割引30%なんて書かれると商品イメージが崩れます。うちは百貨店さんなどとも取引しているので、一方的に割引されるのは困る。取引は当面停止して条件を交渉しています」(ミキハウス広報担当者)

 

では、なぜ前澤社長は「ZOZOARIGATO」を断行したのか。ひとつの見方としては、「ZOZOスーツ」を使ったPB戦略の巻き返しを狙っているのではないかということだ。

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