2019.05.09

元経済ヤクザの告白「私が2億の損失を抱えても日産株に期待するワケ」

これは、株式市場を試すある実験だ
猫組長

投資家に流れた、大塚家具を巡る「ある情報」

さて、現在の株式市場には、仮想通貨で味を占めた「投機家」が大量に流入している。そうした人たちのマネーゲームの場となっているのが「大塚家具」だ。

創業者で社長だった大塚勝久氏(75)による、広告戦略と会員制高級家具販売による住宅購入時のまとめ買いなどを軸に、大塚家具は01年に75.2億円の営業利益を出した。だが、ライフスタイルの変化や、ニトリやIKEAなどの競合が同一市場で力を強くしたこともあり09年には約14.5億円の赤字にまで転落する。

そこで同年に勝久氏の長女、大塚久美子氏(51)が社長に就任。カジュアル路線に切り替え11年に約11億円の営業利益を生み出す。しかし営業利益は減り続け、14年に勝久氏は久美子氏を社長から解任。

その後、15年に起こったのがご存じの「お家騒動」だ。父娘で経営権を巡って骨肉の争いを演じ、勝久氏による「悪い子供を作った」「テロだ」「クーデターだ」という発言がワイドショーをにぎわせたものの、久美子氏が社長に復帰。16年には勝久氏から久美子氏側に求めた社債償還訴訟により、久美子氏側は15億円の支払いを命じられた。だが肝心の業績は回復せず18年末には瀕死の状態へと陥った。

「死亡宣告」となるはずだった19年決算発表直前に、中国系ファンドが38億円を出資し、一命をとりとめた。そして19年4月27日、勝久氏と久美子氏は4年ぶりの面会を果たした。

 

これが、ここ数年の大塚家具を巡る騒動の大まかな流れだ。悪い流れが続いてきたが、勝久氏と久美子氏の「再会」は市場から歓迎され、おそらく大塚家具の株は、GW明け以降、上昇基調に転じることとなるだろう(GW前、4月26日時点の大塚家具の終値は298円だった)。

さて、長く暴力経済で株を扱ってきた私は、このような「問題企業」銘柄に黒い資本が群がり、乱高下を繰り返すさまを経験してきた。悪い材料も株価変動の「材料」には違いないからだ。暴力団に対する規制が厳しい現在では、「投機家」がこの役を担っている。

実は、「大塚家具」について投資家の間では、3月下旬ごろある情報が流れていた。それは久美子氏が追い出した勝久氏に対して、約4億円の役員退職金が未払いになっているのではないか…というものだった。本当ならば、これをどのように支払うのかということが話題になっていたが、そこで画策されたのが「ウルトラC」というべき、勝久氏と久美子氏の和解と、続く勝久氏の復帰だったのではないか…とささやかれている。

このイベントによって大塚家具株を「爆上げ」させ、ファンドが融資担保として所有する大塚家具株を売却することによる売却益の一部で、退職金を補填する……という計画だ。ウソかマコトかその真偽は置いておいて、そうした情報が投資家たちに流れたのは事実だ。

敏感な投資家たちが「大塚家具」に一斉に投資したのは、この情報が流れた時だった。だが私はこの情報をもとに「大塚家具」株を買ったのではない。現役時代に大塚家具で高級家具を買っていた私だが、正直、この企業の将来性には疑問符しか浮かばない。大塚家具の「マイナス」は日産と違って「無意味なマイナス」だ。こういう企業の株で利益を得ようとする投機家はいつか痛い目をみると、私は考えている。

では、そんな私がなぜこのタイミングで「大塚家具」の株を保有するようになったのか――その理由は、前述の情報をつかんだからではなく、私の宿敵である「AI」(人工知能)が大塚家具の取引に暗躍していたことがわかったからだ。私は、AIを相手にしたある実験を行うために、大塚家具株を保有したのだ――。

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