そもそも電気自動車は主流にならない。
「技術の日産」というプロパガンダは大成功したと思う。筆者の頭の中にも、この言葉がこびりついているほどだ。
しかし、プロパガンダは「事実では無い」からこそ、一生懸命宣伝しなければならない。
冷静に考えて、アシモを創り上げジェット機を飛ばすホンダや、ハイブリッドや燃料電池で最先端を走るトヨタ、ロータリー・エンジンという珠玉の技術を生み出したマツダよりもすぐれた技術を持っているといえるのだろうか?
他に自慢すべき特徴が無いから「技術の日産」と必死に宣伝したのである。
確かに、電気自動者のリーフは、欧州売り上げトップであるから、電気自動車に注力しているマクロン大統領(フランス政府)にとっては、日差の技術はのどから手が出るほど欲しいかもしれないが、世の中で騒がれているほど電気自動車の将来が明るくないことは、当サイト2018年8月27日の記事「騙されるな、空前の電気自動車(EV)ブームは空振りに終わる」(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57205)で詳しく述べたとおりである。
だから、日産の電気自動車技術は、将来の自動車業界においてそれほど価値が無い。
三菱自動車は2度もリコール隠しをした社会悪である
三菱自動車も大きな足かせだ。「三菱リコール隠し」は、最初、2000年に運輸省の監査で発覚した。しかも、その後2004年にもさらなるリコール隠しが発覚して、その悪質さから顧客離れを起こした。また当時の筆頭株主であったダイムラー・クライスラーからも資本提携を打ち切られ経営危機に陥ったが、三菱グループの支援で何とか生き残った。
しかし、この一連のリコール隠しによって、トレーラートラックのトラクター左前輪が脱輪し、べビーカーを押して歩道を歩いていた母子3人を直撃。母親(当時29歳)が死亡し、長男(当時4歳)と次男(当時1歳)も手足に軽傷を負うなどの重大事故が生じたにもかかわらず、この企業が存続したことには大いなる疑問がある。
日産自動車も、直近で未実施などの検査不正によるリコールを4回も行っているが、1回で膿を出しきれないのは、日産自動車内部が腐敗している証拠であるし、それには三菱自動車による「悪貨が良貨を駆逐する」影響が多少なりともあったと考えるのが自然であろう。
万が一技術力があったにしても、腐ってしまったリンゴは元に戻らない。
筆者の友人の税理士の言葉は示唆に富む。
「不正経理や税金のちょろまかしで、うまいことやろうという経営者は多いんだけど、(社長が隠しているつもりでも)結局その社長の行動を全社員が知っているわけで、そのような会社では「社長もやっているんだから」という社員による横領などが頻発して、結局ちょろまかした金額の何倍も何十倍も損するんだよね」。
日産自動車の社員も三菱自動車の社員も、経営者や幹部の行動をよく見ている。西川社長が続投すればするほど、会社が疲弊していくし、経営者の交代があったとしても、腐ったリンゴを元に戻すには「奇跡」が必要だ。