2019.05.23
# 銀行

アマゾン銀行が誕生…2025年、日本の「銀行」はここまで激変する

これから金融界に起きる「破壊」の全貌
田中 道昭 プロフィール

「銀行口座を持たない人たち」が急増するアメリカ

「預金」は銀行にとって、最大のレゾンデートル(存在意義)だ。それだけに当局の規制も厳しく、最大の参入障壁と目されている。しかしアマゾンは全く別の方法で、この領域を侵食し始めている。

 

その筆頭が「アマゾンギフトカード」や「アマゾンキャッシュ」というサービスだ。ユーザーはこのサービスのために現金を渡してチャージするので、これは「預金」と同等の機能を持っている。では預金に必ずついてくる金利に代わるものは何か。ポイントである。実際のおカネとはいかないが、現在の低金利時代を考えれば、それを凌駕する水準のポイントで、実質的な利息をつけているのだ。

口座の管理費の高いアメリカでは、「アンバンク」と呼ばれる銀行口座を持たずに、それ以外の金融サービスを受けている人々が存在する。米連邦預金保険公社(FDIC)の調査では、米国で銀行口座を持たない人々は3350万世帯と推定されている。彼らはいまプリペイド機能を持つアマゾンキャッシュによって、その経済圏に続々と取り込まれている。

〔photo〕gettyimages

筆者は早晩「金融4.0」と言われる大変革のすえに、次世代金融の雄として「アマゾン銀行」が台頭することは、十分にあり得ると考えている。その暁にはアマゾン銀行はアマゾンの事業の中核に位置することになる。アマゾンのレイヤー構造は下記の図のようになるだろう。

図:アマゾン銀行を中核とするレイヤー構造
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